いまホットな副業のひとつといえば? 年収5000万円を超えるエンジニアが説く圧倒的に優位な状態で人生を歩むコツ
公開日:2020/10/12
いま大変ホットな副業のひとつと言えば? それは、教えたい人と学びたい人をつなぐ国内最大級のスキルシェアコミュニティ「ストアカ」だ、と筆者は感じている。
ポイントは、自分の住む地域で有料セミナーを開催できること。もちろんオンラインでも可能。もし1回5000円の「プログラミング教室」を開催して、5人の集客ができれば、1時間から2時間程度で2万5000円の売上が立つ。
事実、このストアカで月30万円を稼ぐ人もいるそうだ。本業でさえ月収30万円に届かない人が増え続ける日本において、こういった副業は大変にアツい。
『シリコンバレー発 スキルの掛け算で年収が増える 複業の思考法』(酒井潤/PHP研究所)は、シリコンバレーにある全米給与ランキング第4位の企業で、ソフトエンジニアとして働く酒井潤さんが書き下ろした指南書だ。
その内容は、自分の人生を自らの手で設計する「キャリア構築力」。たとえ人類が新型コロナウイルスを克服しようとも、ますますネットが社会基盤となり、これから変化の激しい時代が訪れる。アメリカで「Uber」などの配車アプリが誕生してタクシー会社が次々と倒産したように、民泊の登場でホテル業界がじわじわと追い詰められているように、ひとつの職業にこだわるのは危険だ。複数の仕事で収入を得る「複業」によって、収入を複線化して、環境の変化に強い人生を歩みたい。
そのヒントとなるのが本書であり、シリコンバレー流の思考法を得ることができる。
圧倒的に優位な状態で人生を歩むには
もし読者が生きづらさを抱えているならば、それは情報が足りていないからかもしれない。人生の選択肢が圧倒的に少ないのだ。
酒井さんは、人生の節目でさまざまな決断を下してきた。NTTドコモで働きながら、渡米を考えるようになり、ハワイで起業したこと。アメリカの企業へ転職できた後も、アメリカ国内で転職を考え実行したこと。
酒井さんの経験談は本書にしっかり記されているので、それを参考にしてもらうとして。大切なのは、生きるための選択肢を増やすことだ。今の仕事が合わなければ、転職先を徹底的に探す。職場を変えるつもりがなくても収入を上げたいならば、どんな副業があるのかネットでリサーチを重ねる。
先述の「ストアカ」は、酒井さんが本書で紹介した副業だ。たとえ誰かにお金を払ってもらえるスキルを持っていたとしても、「ストアカ」のようなスキルの発揮場所を知っているかどうかで、稼げる額がまったく変わってくる。
自ら情報を取り、自分が勝てるフィールドで戦う。そうすれば、どんな人でも圧倒的に優位な状態で人生を歩めます。
このように説く酒井さん自身、副業も合わせた年収は5000万円を超えるという。もし読者が何かに悩んでいるとしたら、それは情報不足かもしれない。徹底したリサーチが問題解決の選択肢を増やしてくれるはずだ。
お金持ちの次の一手に注目せよ
日本企業は簡単に社員を解雇できない。このおかげで一定の豊かさが保たれる一方、スキルアップを考えると弊害も起きかねない。仕事のスキルは、優秀な人と一緒に働くと劇的に伸び、会社にしがみつく人と一緒に働くと成長が阻害されるからだ。
複業で生きるためにも、まずは収入基盤となる本業を安定させて、職場でスキルを磨きあげたい。だからこそ優秀な人を見つけて、その技をできるだけ盗むこと。そして会社にしがみつく人たちからできるだけ離れること。
また社内の別の部署や、同じ業界のライバル企業にもスキルを持つ人たちがいる。ちょっとくらい上司に怒られてもいいので、可能ならばその人たちに張りついていろいろ学ぶ手段もある。とにかく大事なのは、本業をしっかりモノにして、複業のタネを身につけることだ。
しかしなかには「どんなことをやっていいかまったくわからない」という人もいるだろう。おもしろいことに酒井さんは、そんな人へ「お金持ちを見ればいい」とアドバイスする。
お金持ちが「次はこれが流行る」といって投資を始めたら、ほんとうに大ブームが起きるのです。
シリコンバレーの歴史を振り返っても、仮想化ソフトウェア、クラウド、SNS、ビッグデータなど、流行りに乗った企業(=お金持ちが投資した企業)は一気に業績が伸びた。もし何もやりたいことがなくて困っている人は、お金持ちの行動を徹底的にリサーチしてマネしてみるのも、ひとつの方法だろうか。
このように本書は、複数の仕事で収入を得る「複業」によって、収入を複線化して、環境の変化に強い人生を歩むヒントを授ける。今後の人生に少しでも不安を覚えたときは、解決の選択肢を増やす参考にしてもいいだろう。
文=いのうえゆきひろ