調理のムリ・ムラ・ムダを効率化! 激せまキッチンから生まれた「ほったらかしご飯」
公開日:2020/10/15
登録者数23万人(2020年10月現在)の料理系YouTuberキコノヒト氏の初のレシピ本『道具ひとつ、ほぼほったらかしご飯』(KADOKAWA)が発売となった。
「料理のレベルは素人レベルです」と謙遜するが、そのレシピにはベテラン主婦も目から鱗の調理効率化のアイデアが詰まっている。
コンロひとつ、激せまキッチンから発信
レシピはこのわずか1Kの小さなキッチンから生まれる。TVで見かけるような広々とした調理台はなく、まな板1枚の調理スペースしかないという。
・調理道具はひとつ
・まな板や包丁はなるべく使わない
・洗い物は最低限
というのが彼のポリシーだ。
材料もフライパンや鍋といった調理道具の中で混ぜてしまう。なんてズボラ……いや、効率的で私は感動した。
家にはフライパンと炊飯器ぐらいしかない、というひとり暮らしの人も中にはいるだろう。家族で暮らしていたとしても、調理スペースなんて広くて、まな板2.5枚分程度ではないだろうか。
リアルな生活から生まれたレシピだからこそムダ、ムリ、ムラがない。女性のみならず男性からも広く支持があるのも頷ける。
味もボリュームも満点! 進化系料理
ここで1つ「ぺぺたま」というレシピを紹介しよう。名前の通り、ペペロンチーノとたまごを合わせた進化系料理だ。
イタリアンのシェフが聞くと怒られそうなこの料理だが、ピリっと辛みがあるお陰でカルボナーラよりくどさがなく、最後の一口までおいしく食べられる。病みつきになってしまうような料理だ。
もちろんこのパスタでもフライパン1つだけで作ることができる。フライパンだけでパスタが作れるなんて今までは知らなかった。味付けには少しだけ和の調味料を使う。でもいいじゃないか、おいしければ。
「本来の作り方にこだわらず、誰が作ってもおいしいレシピ」を追求したからこそ生まれた、簡単かつ本当においしい料理なのだ。
本書では他にも秒でできる「カレー」、鍋でつくる「チョコチップマフィン」といったちょっと驚くようなレシピだけではなく、「ぶりの照り焼き」「豚肉のしょうが焼き」といった定番レシピも紹介されている。
ちなみにレシピ本通りに作ると女性にとって少し量は多め。ご飯やパスタの量を調節してみるといいと思う。
自炊=自己投資!
今でこそテキパキと調理を行うキコノヒト氏だが、はじめは料理本を見ても失敗ばかりで上手くいかなかったという。今でも時には「買ったほうが早い場合もある」ということも十分承知だ。
失敗すると料理をすることのモチベーションが下がる。特にひとり暮らしなら、そこまで無理して続ける必要はないのではと私なら思ってしまう。でもなぜ、レシピ本を出せるまで自炊を継続したのだろうか?
それは「ごはんを買い続けた人と、ごはんを作り続けた人とでは、5年後、10年後に必ず心と体に差が出ると思ったから」だという。
まさに、自炊=自己投資。
料理は継続すればかならず上手になる。冷蔵庫にあるもので手際よく健康的でおいしいものをつくれる、そんな自分も夢じゃない。
このコロナ禍で外食が減り、食事はもっぱらコンビニやスーパーの惣菜ばかりという人はこの本を片手にはじめての料理に挑戦してはどうだろうか?
文=稲垣飛カ里(side dishes)
【著者プロフィール】
キコノヒト
チャンネル登録者数23万人超(2020年10月現在)の人気料理YouTuber。料理とは全く違うジャンルの本業を持つ傍ら、調理道具を極力使わずにできる美味しいレシピを紹介し続けている。フライパンひとつで完成するパスタなどワンポットレシピが大評判。
YouTube:キコノヒト