宅建士はどんな仕事をするの?/宅建士 はじめの一歩【TAC】②
公開日:2020/11/6
「宅建士」って聞いたことはあるけど、どんな資格? ――初めて宅建士試験を目指す人に向けて、資格の概要から学習方法、試験の攻略法までを、TAC出版がわかりやすく解説。宅建士試験合格への「確かな一歩」を踏み出しましょう(第2回)。
宅建士のお仕事
宅建業者(いわゆる不動産屋さん)には、従業員5人につき1人以上は宅建士を置かなければならないことが法令で定められています。
不動産取引の重要な役割を担うのですから、どの事務所にも一定数の宅建士がいなければならない、というわけです。
さらに、宅建士でないとできない3つの独占業務があります。不動産取引における宅建士の重要性をご理解いただけるでしょう。
宅建業者の主な業務
【① 不動産の売買・交換を自分で行うこと】
不動産会社自らが所有する土地を分譲販売する行為や、マンション業者が大規模なマンションを建設し、直接お客さんに販売する行為などが当てはまります。
【② 不動産の売買・交換を代理・媒介すること】
不動産会社が、マンションなどの所有者からそのマンションの売却を依頼されたケースが当てはまります。
売主は、不動産会社を通じてお客さんを探してもらい、契約を交わすことになるのです。媒介は一般的には「仲介」とも呼ばれます。
【③ 不動産の賃貸借を代理・媒介すること】
不動産会社が、アパートやマンションを管理するいわゆる「大家さん」から、空き部屋の借り手を探すよう依頼されたケースが当てはまります。
不動産会社は、そうして集められた物件情報の中から、お客さんに見合った物件を紹介していき、貸し手側の「大家さん」と借り手側の「お客さん」を「仲介」します。
宅建士にしかできない独占業務は?
【① 重要事項の説明】
不動産の取引では、高額な金銭やさまざまな権利が動きます。そこで、取引に関するトラブルを回避するために、宅建士は、契約を結ぶ前に、必ずその物件に関する「重要な情報(重要事項)」をお客さん(買主・借主)に説明しなければなりません。
「重要な情報」には、たとえば、物件の所在地や売主(貸主)、土地・建物の用途やその制限、電気・ガス・水道の整備状況などが含まれます。
【② 35条書面(重要事項説明書)への記名・押印】
重要事項の説明にあわせて、「重要な情報」の内容が記載された「重要事項説明書」に記名・押印をし、交付します。
【③ 37条書面(契約書等)への記名・押印】
重要事項の説明が終わり、お客さんがその内容に納得すれば、いよいよ契約です。宅建士は、契約書の内容に誤りがないかどうかを確認して、記名・押印します。
こうして見ると、不動産取引において宅建士がいかに重要な役割を担っているか、ご理解いただけるのではないでしょうか。
◇ ◇ ◇
次回は、宅建士試験がどのように行われているかを説明していきます。