エビとカニ、タコでは仕組みが違う!? 茹でると赤くなる魚介のメカニズム/毎日雑学
更新日:2021/1/3
身近なのに意外と知らない身の回りのモノの名前の由来や驚きの事実。オフィスで、家庭でちょっと自慢したくなる、知っておくだけでトクする雑学を、毎日1本お届けします!
この雑学では、エビやカニを茹でると殻の色が赤色になる理由やメカニズムについて解説していきます。
雑学クイズ問題
エビやカニと同じ理由で赤色をしているものはどれ?
A. ナマコ
B. クラゲ
C. サンゴ
D. イクラ
答えは記事内で解説していますので、ぜひ探しながら読んでみてくださいね!
エビやカニを茹でると赤くなる理由、意外と知らない食べ物雑学
赤くなるのは色素の影響
食卓に並んでいる調理後のエビやカニの色を思い浮かべてみると、どれも鮮やかな赤色をしていますよね。しかし、あの赤色には、茹でられたり揚げられたり、加熱調理をされたから赤色になったものです。種類にもよりますが、カニやエビの殻の色は、調理前には少しくすんだ暗めの色をしています。
では、なぜ茹でると殻の色が赤色に変化するのかというと、そこには「アスタキサンチン」と呼ばれる色素が関係しています。この「アスタキサンチン」は、加熱調理される前にはたんぱく質と結合した状態で、緑色をしています。これが茹でたり揚げたり熱をくわえられると、タンパク質とアスタキサンチンが分離され、赤色になるのです。アスタキサンチンは元々の赤色の色素であるため、赤色に変化するというより、熱によって元の色を取り戻すととらえるほうがわかりやすいかもしれません。
エビやカニはアスタキサンチンを生成できない
実はエビやカニは、自分の体内でアスタキサンチンを生成している訳ではありません。ではどのようにしてアスタキサンチンを取り込んでいるのかというと、普段口にする餌の影響なのです。
海には「ヘマトコッカス」という藻の一種があり、この「ヘマトコッカス」はアスタキサンチンを生成しています。ヘマトコッカスは海の過酷な環境で生き残るために細胞を守る壁を作り出しますが、この時使われるのがアスタキサンチンなのです。そして、このヘマトコッカスを餌としているのがプランクトンであり、そのプランクトンを餌としているのがエビやカニなのです。
プランクトンを食べ続けることによって、本来は自分で生成できないアスタキサンチンが、エビやカニの体内に蓄積していくのです。ちなみに、サーモンやその卵であるイクラが赤色をしているのも、ヘマトコッカスを食べたプランクトンを餌としているからだそうです。
それではタコを茹でると赤くなる理由は?
タコもまた、エビやカニのように茹でると色が真っ赤になりますよね。
さて、このタコの場合は、エビやカニのようにアスタキサンチンの影響で赤くなっている訳ではないようです。タコが茹でられると赤くなるメカニズムについては、タコがもともと持っている紫黒色、赤褐色、黄色の3つの色素に関係があるとされています。
これらの色素が熱を加えると化学変化を起こすため、茹でると赤色になるというのです。また、タコを茹でるときに出るアルカリ性の煮汁が紫黒色の色素を溶かすことから、赤くなるとも言われています。しかし、タコを茹でると赤くなる理由については、まだ正確には解明されていないそうです。
以上が、エビやカニを茹でると殻の色が赤色になる理由についてでした。いかがでしたか?
それでは雑学クイズの正解発表です、答えはもうお分かりですよね?
雑学クイズ問題解答
雑学クイズ問題の答えは「D. イクラ」でした!
まとめ
エビやカニを茹でると殻の色が赤色になるのは、「アスタキサンチン」と呼ばれる赤色色素の影響である。
タンパク質と結びついてる時は緑色をしているが、熱によってタンパク質と分離すると、本来の赤色を取り戻す。
ヘマトコッカスという藻を食べたプランクトンを餌としているため、エビやカニの体内にアスタキサンチンが蓄積される。
タコは、本来タコが持っている色素が熱によって化学変化をすることから、赤色変化すると考えられている。
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