若いから下積み仕事が必要って誰が決めたんですか? 今は働き方を見直すチャンス
公開日:2020/10/21
多くの企業で副業が解禁されるなど、働き方が大きく変化するなかで訪れたのがコロナショックだ。在宅勤務、ペーパーレス、単身赴任の解除など、大企業から中小企業まで広く変化を求められた。そんな2020年以降の「新しい仕事の常識」を身につけるには、どうしたらいいのだろうか?
『どうして僕たちは、あんな働き方をしていたんだろう? 古い「仕事のやり方」を変える30の方法』(河野英太郎/ダイヤモンド社)では、30個の仕事に対する「どうして?」をBefore/Afterのストーリー形式で振り返り、HowToのアドバイスを与えてくれる。30個のうち、本稿では2つの「どうして?」を見てみよう。
どうして、1つの会社でしか働けないと思い込んでいたんだろう?
会社での契約形態を変えて副業を始める社員に、同僚は言う。
「でも、正社員のほうが安心じゃないか?」
「オレはちょっと今はわかんないな。この会社もいつまであるものか…」
働き方が多様になり、副業(複業)がしやすい環境が整ってきている。就業規則で副業を解禁する企業も増えた。
著者の河野さんは「露骨な行動はまだ避けましょう」と読者に実践的なアドバイスを授ける。長らく禁止されていた副業に対して、周囲からの妬みや思いがけない妨害に遭わないよう、“水面下で副業を進めてリスクに備える”ことを河野さんは勧める。
また、副業をするなら“高い倫理観”が必要だという。本業との利害相反や背信行為は必ず避けなければならないことをきちんと把握しておきたい。
どうして、「若い頃は下積み」が当然と思われていたんだろう?
「若いから」といって、「下積み」としての雑巾掛けなどで“才能の芽を潰してはいけない”と河野さんは語る。かつてのビジネス環境では、皆で経済成長を推し進めるなかで、上意下達の指示系統が非常に効率的だった。しかし、今ではオフィスに出社することを前提とした下積みは成立しにくくなっている。
もし「この下積みって必要?」と疑問に思うことがあれば、若手の立場からは、決起して「この仕事の意味を教えてください」と尋ねてみよう。答える上司や先輩に求められるのは、「アカウンタビリティ(説明責任)」だ。それが果たせなければ、転職といった道も若手社員にはあるのだけど…。
ウイルス感染のリスクがあるなかでただ押印だけのために出社させるような企業に対して、河野さんはこう指摘する。
“これは、はっきりと言ってしまってもいいでしょう。ハンコひとつのためにリスクを冒すことなど、ほんとうに馬鹿げている”
私たちは今、“馬鹿げている”ようなこれまでの働き方を変えられるチャンスの時代にいるのだ。
文=えんどーこーた