実は乾燥剤代わり!? お茶漬けにあられが入っている本当の理由/毎日雑学

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更新日:2021/1/3

実は乾燥剤代わり!? お茶漬けにあられが入っている本当の理由/毎日雑学

 身近なのに意外と知らない身の回りのモノの名前の由来や驚きの事実。オフィスで、家庭でちょっと自慢したくなる、知っておくだけでトクする雑学を、毎日1本お届けします!

 市販されているお茶漬けの素には、あられが入っているものが多いですよね。全体的に柔らかな食感のお茶漬けですが、あられが入ることによってカリカリとした歯応えが加わり、より一層お茶漬けが美味しくなります。そのため、あられはお茶漬けを美味しくするために入れられていると思われていますが、実はもともとは違うそうです。

 お茶漬けのあられは美味しくするためではなく、お茶漬けの素を“乾燥させるため”に入れられているのです。

 

あられのルーツはぶぶ漬け

 まずは、あられを入れるようになったルーツから解説していきましょう。

 実はお茶漬けよりも前に、京都のぶぶ漬けにはあられが入れられており、これがお茶漬けにあられを入れるルーツになったとされています。現代では、ぶぶ漬けといえばお茶漬けのことだと認知されていますが、本来、ぶぶ漬けの「ぶぶ」とは「お湯」のことであり、ぶぶ漬けとはつまりご飯の「お湯漬け」のことでした。

 昔の京都に住む人はあまり食事にお金をかけずに、なるべく食事は質素に済ませるような一面があったそうです。そして、ぶぶ漬けは漬物などと一緒に食べられていたのですが、あられも入れて食べられるようになりました。ご飯を食べた後にお碗に米粒が残らないように、最後にお湯を入れて食べるのも当時の知恵だったそうです。

実は乾燥剤代わり!? お茶漬けにあられが入っている本当の理由/毎日雑学

お茶漬けのあられは偶然

 時代は流れて、お茶漬けの素が全国的に普及するようになったのは、第二次世界大戦後のことです。開発当時はまだ現在ほどの技術力がなく、お茶漬けの素を完全に密封することができないため、湿気ですぐに湿ってしまうことが商品のネックとなっていました。

 お茶漬けの素が湿ってしまう問題は解決されていませんでしたが、ぶぶ漬けの発想から、お茶漬けの素にあられを入れることになりました。すると、偶然にもあられが湿気を吸収するようになり、お茶漬けの素が乾燥したままになることが判明したのです。

 つまり、湿気を解決しようと投入されたわけではなく、偶然の産物として、お茶漬けの素の乾燥状態を保持する方法が見つかったのです。それからは、様々な味のお茶漬けの素の湿気問題の解決策として、あられは大活躍することとなりました。

その後あられは定番に

 現代では袋を密封する技術があるため、実はあられを無理に入れる必要はさほどないそうです。しかし、依然として乾燥剤としての役割は果たしていますし、当時の名残や多くの人の食べ慣れた味ということもあり、現在のお茶漬けの素の多くにはあられが入れられています。

 乾燥状態の保持が不要なお店で食べるお茶漬けにもあられが入っていることがありますが、元々はお茶漬けの素に入れられていたものが、逆輸入された形なのかもしれませんね。お茶漬けを食べる機会があれば、ぜひお茶漬けに関する雑学として披露してみてはいかがでしょうか。

 以上が、お茶漬けにあられが入っている理由についてでした。

 

まとめ

 お茶漬けにあられが入れられている本来の理由は、お茶漬けを美味しくするためではない。

 お茶漬けの素が開発された時代には、まだ袋を完全に密封する技術がなく、お茶漬けの素がしけってしまうことが問題となっていた。

 ぶぶ漬けの発想からお茶漬けにあられを入れたところ、乾燥剤の役割を果たすことが判明し、その後はお茶漬けの素にあられが定番となった。

 現在では袋を完全に密封する技術があるが、当時の名残であったり、乾燥剤の役目を現在でも果たしていることから、今もお茶漬けの素にはあられが入れられている。

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