最愛の人の幸せを願う不死川実弥の兄弟子の言葉。1人ぼっちだと思っている君へ/『鬼滅の刃』の折れない心をつくる言葉 ⑧

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更新日:2020/12/23

「鬼滅の刃」がヒットした理由は、自分の弱さと向き合い、葛藤し、それでも立ち上がろうとするキャラクターたちの“折れない心”にあるのではないでしょうか。そんなキャラクターたちが放った“言葉の力”に注目した1冊から、『鬼滅の刃』で生まれた名言をご紹介します。

「鬼滅の刃」の折れない心をつくる言葉
『「鬼滅の刃」の折れない心をつくる言葉』(藤寺郁光/あさ出版)

「鬼滅の刃」の折れない心をつくる言葉

 不死川実弥がはじめて「柱合会議」に出席したとき、武術ができないにもかかわらず、鬼殺隊の頭となっている産屋敷に憤りを覚え、「いい御身分だなァ おいテメェ」と食ってかかります。しかし、産屋敷は自分も“捨て駒”であり、「私が死んだとしても何も変わらない」と伝えます。

 そのとき産屋敷から、亡くなった仲間が自分自身の弟と不死川実弥を重ねていたことを明かされ、その仲間の遺書を手渡されます。これはその遺書に書かれていた言葉です。

 

 あなたの人生で最愛の人はどんな人でしょうか。いっしょに暮らしている家族でしょうか。長く付き合っている友だちや恋人でしょうか。もしかしたら、もうこの世にはいない人かもしれませんね。

 

 あなたにはその最愛の人を含めて、大切な人、特別な人がたくさんいると思います。最愛の人、大切な人、特別な人には、できるだけ長生きして、楽しいときをいっしょに過ごし、楽しい思い出をつくり、ずっとずっといっしょにいたいと願っているでしょう。

 怪我をしたと聞けば人一倍心配するでしょうし、大病を患ったと聞けば毎日のように早期回復を願うでしょうし、心を病んでいると聞けば何か役に立てることはないかと模索するでしょう。その人に理不尽な出来事がおきれば、怒りもわきおこるでしょう。その人たち全員が笑顔で幸せに暮らして、苦しむことなく天寿を全うしてほしいと願っていると思います。

 

 しかし、人間には寿命があります。やがて誰にでも死が訪れます。最愛の人が先にこの世を去って傍にいられなくなることもありますし、自分が先にこの世を去って傍にいられなくなることもあります。どんなに願っても、どんなに純粋無垢なものであっても、常にいっしょにという願いは叶うことはないのです。

 

 だからこそ、忘れないでほしいことがあります。それは、あなたがその人を強く思うように、その人もまたあなたの幸せを願っているということです。遠く離れて会えなくても、あなたの想いをしっかりと受け止め、それ以上の想いであなたを見守ってくれているでしょう。あなたは誰かの生きる動機になっているのです。

 

「自分にできなくても必ずほかの誰かが引き継いでくれる。次に繋ぐための努力をしなきゃならない」と炭治郎が言うように、あなたの最愛の人は最後まで、あなたが幸せになるために努力をするでしょう。

 

 だからあなたも、いつまでも最愛の人の心のなかであなたが存在していられるように、天寿を全うするその日まで、幸せに生きるための努力を続けてください。

<第9回に続く>

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