実は体によくない!? 「体育座り」が教育現場に定着したワケ/毎日雑学

暮らし

更新日:2021/1/3

三角座りや体操座りとも!? 体によくない「体育座り」が教育現場に定着した訳/毎日雑学

 学生時代、体育館やグラウンドに座る時に最もスタンダードな座り方は「体育座り」だったのではないでしょうか。

 しかし現在では、体育座りは子どもの身体に負荷が掛かるということから、今後体育座りが廃止される可能性があるそうです。確かに、数分程度なら大丈夫ですが、1時間近くも体育座りをしていると、お尻が痛くなってきた経験があるという人は多そうです。でも、お尻が痛くなってしまうような、長時間座っているのに向かない体育座りがなぜ学校で標準化されたのかご存じですか?

 

体育座りの歴史

 それでは、体育座りが学校での座り方として標準化された経緯についてご紹介しましょう。体育座りが学校で導入されたのは割と最近のことで、1965年のことです。1965年に文部省から学校で用いられる学習指導要領の補足として「集団行動指導の手びき」が発行されたことが発端です。この「集団行動指導の手びき」には、体育座りが「腰をおろして休む姿勢」として紹介されており、そのため学校で体育座りが広く導入されました。

 つまり、それまで学校ではこれといって座り方が標準化されていたのではなく、現代のようにピシッと全員が同じ姿勢で座っていた訳ではないのです。55年前の出来事ですから、体育座りの歴史は意外と浅いと思う人もいるでしょう。

体育座りは絶対的な規則じゃない

 体育座りをしているとどうしてもお尻などが痛くなってしまいますよね。また、女の子は学校の制服がスカートであるため、体育座りに抵抗があるという人も多いと思います。実は、学校で体育座りをしなければいけない規則は存在せず、本来は強制されるものではありません。ですから、体育座りを崩して座っても、規則に反するということはないそうです。文部科学省からも「体育の授業などでの座り方として、体育座りが絶対ではない」と発表されています。

 周囲が体育座りをしていて自分だけ姿勢を崩しずらいと思っても、お尻が痛くて耐えられない場合には無理せず楽な座り方をするようにしましょう。

 

体育座りは廃止になる?

 教育の現場では、生徒たちから「お尻や腰が痛む」や「窮屈」などの声も上がっており、今後は体育座りが廃止になる可能性が出てきているそうです。生徒だけではなく、教員や専門家などからも「子どもの身体に負担の少ない座り方を導入すべき」という声が出ているようです。

 体育座りをすると、膝を抱え込むことによって内蔵が圧迫されたり、座骨などに負担が掛かってしまうそうです。そのため、これまで標準化されてきた体育座りですが、実は長時間座ることには適していない座り方だとされているのです。

身体に負担の掛からない座り方とは

 それでは、体育座り以外では、どんな座り方が長時間座ることに向いているのでしょうか。

 長時間座っているのに適しているのは「胡坐(あぐら)」だとされています。胡坐は背筋が伸ばしやすく、お尻だけではなく、負荷が下半身の様々な場所へと分散されるため、長時間座るのに適しているそうです。

 また、最近はフローリングの部屋が増え、季節によっては冷たいと感じるためか子どもが地べたや床にそのまま座る時間が減っているそうです。そのため、下半身の関節がかたい子どもが増えているそうですが、胡坐は股関節などの関節を柔軟にする座り方でもあります。体育座りがつらい場合には、胡坐をかいて座ることをおすすめします。

三角座りや体操座りとも!? 体によくない「体育座り」が教育現場に定着した訳/毎日雑学

体育座りの雑学

 最後に「体育座り」にまつわる雑学です。

 実は全国的に「体育座り」という呼び方が一般的になっていますが、地域によっては呼び方が変わるのをご存じですか?

 体育座りは、愛知県・福岡県・兵庫県・岐阜県などの地域では「体操座り」と呼ばれているそうです。また、関西では「三角座り」と呼ぶ地域もあり、全国で様々なバリエーションが存在しているのです。

 以上が、体育座りが日本で標準化された経緯やそれにまつわる雑学でした。

 

まとめ

 体育座りが学校で導入されたのは1965年で、文部省から学校で用いられる学習指導要領の補足として「集団行動指導の手びき」を発行したことがきっかけだった。

「集団行動指導の手びき」には体育座りが「腰をおろして休む姿勢」として紹介されていた。

 しかし、体育座りは膝を抱え込むことによって内蔵が圧迫されたり、座骨などに負担が掛かることから長時間座るのに不向きであり、今後は廃止にすべきという声も出ている。

 長時間座るのに向いている座り方は胡坐で、胡坐は下半身への負担が軽減される他にも、下半身の関節を柔らかくする効果がある。

※提供している情報には諸説ある場合があります。ご了承ください。

雑学.com

※この記事は雑学.comから提供を受け作成しています。