なぜ月経前は眠たくなるの? 5つの対処法で良質な睡眠を手に入れよう/これってホルモンのしわざだったのね②
公開日:2020/11/10
感情の浮き沈みや体の不調、変化に直面すると「私ってどこか変なのかな?」と不安になりませんか? でも、それらは全部「ホルモン」のせいだったとしたら――。日常生活の中で起こりがちな不調の原因と、実践しやすい対策を婦人科医師がわかりやすく解説します!
いつも眠い・眠れない
[原因]
月経前はプロゲステロンの働きで体温が上がります。本来、夜には体温が下がり睡眠に適したからだになりますが、月経前は体温が下がりにくくなるため寝つきも悪くなり、睡眠の質も落ちて日中に眠くなります。
[対処法]
①眠るための環境をつくる
②おやすみストレッチをする
③スマホ・パソコンは寝る1時間前まで
④ぬるめの湯船に浸かる
⑤我慢せず昼寝する
[ポイント]
月経前に眠くなるのは「からだを休ませて!」という女性ホルモンからのサイン。できれば我慢しないで眠たいときに寝るのがベストです。それが無理なら、どうしたら夜に質のいい眠りをキープできるかを考えましょう。
あなたの睡眠の質をチェック
睡眠は、美も健康も手に入れられる最高のリカバリー法。
でもたくさん眠ればよいわけではありません。
質のいい眠りがとれているか、チェックしてみましょう。
□眠る直前までスマホやパソコンを触っている
□ベッドに入っても30分以上眠れない
□夜中に目が覚めてしまう
□寝覚めが悪く、二度寝、三度寝をしてしまう
□寝起きなのにからだがだるく、重い感じがする
□日中、何度も睡魔に襲われる
□休日は寝だめに徹している
□眠りにつく時間が不規則
□睡眠時間が日によってバラバラ
対処法①眠るための環境をつくる
脳のリラックスで睡眠の質もアップ
眠るときの環境を見直すことは、睡眠の質アップへの第一歩。
おやすみ前は脳をリラックスさせることが第一条件です。
ベッドまわりは物を減らして、目から入る情報量を減らします。照明はおだやかな光を選ぶこと。毎晩パジャマに着替えて「これを着たら寝る合図」と脳に覚えさせると、パジャマに着替えるだけでからだは睡眠の準備を始めます。さらに自分のからだにあった枕を選んで寝返りをサポートすれば、朝までぐっすり眠れるようになります。
対処法②おやすみストレッチをする
緊張をゆるめて心地いい眠りへつなげる
1日頑張ったからだは凝り固まってカチコチ。頭も冴えたままで心身ともに緊張モードのはず。そんな状態でベッドに飛び込んでも、熟睡できるはずがありません。
そこでおすすめしたいのが、おやすみ前のストレッチ。のんびりした動作でからだをほぐすと副交感神経が優位になり、気分が落ち着いて自然に心地いい眠気がやってきます。あぐらをかくなど、骨盤が開くポーズを取り入れるとより効果的です。
対処法③スマホ・パソコンは寝る1時間前まで
ブルーライトは眠りの天敵!
スマホやパソコンなどから出ているブルーライトは、体内時計を狂わせます。
質のいい睡眠に欠かせないのが〝眠りのホルモン〞と呼ばれるメラトニン。メラトニンには体温を下げて眠りに誘う働きがあるのですが、ブルーライトを浴びるとメラトニンの分泌が抑えられてしまうのです。ブルーライトに限らず、まぶしい光は交感神経を刺激して脳を興奮させます。スマホやパソコンを使うのは寝る1時間前までにしておきましょう。
MINI COLUMN
ブルーライトを軽減! 「Night Shift」を活用して
iPhoneには、ブルーライトを軽減する「Night Shift」という機能がついています。コントロールセンター⇒ 「明るさ調整アイコン」長押し⇒ 「Night Shift」オン/オフで設定可能。
対処法④ぬるめの湯船に浸かる
入浴は就寝90分前までに済ませるのがベスト
人は眠りに入るとき、皮膚温度(手足の表面温度)を上げて放熱し、深部体温(からだの中の温度)を一気に下げようとします。この入眠スイッチはお風呂に入ることでもオンにできます。湯船に浸かって体温が上がると、入浴後は深部体温が急降下するからです。
眠りの質をよくするには、ベッドに入る90分前までに38〜39度くらいのぬるめのお湯に20〜30分浸かると◎。ただし、寝る直前の熱いお風呂は交感神経を刺激するので逆効果です。
対処法⑤我慢せず昼寝する
どうにも眠いときは我慢しないのが吉
月経前はプロゲステロンの影響で体温が上がり、日中はうとうと、夜は目が冴えて寝不足に陥りがち。どうしようもない睡魔に襲われることもあります。そんなときはいっそのこと寝てしまうのがおすすめ。ただし、眠気を解消するのに効果的な昼寝は30分以内。
そのままぐっすり眠ってしまったら……と不安な場合は寝る前にコーヒーを飲みましょう。カフェインが20分後くらいに作用してきて、ちょうどいい目覚ましになります。