気の利いた意見が言えない…。自分の意見を話せるようになるコツ!/コミュ力なんていらない③
公開日:2020/11/4
初対面の人と話すのが苦手だ、大勢いる場だと人見知りをして話せない…「自分にはコミュ力がない」と悩むすべての人へ。コミュ力が低くても仕事で成果を出す方法や、人間関係が楽になる術を厳選してご紹介します!
共感力を高める努力をしない。
周りの意見を汲んだうえで、新たな角度から言葉を紡ぐ――。
いわゆる〝逆張り〟というものは、共感力が低く相手が何を考えているのかを読み取ることが苦手な僕には到底まねできる技術ではありません。
その一方で、世の中には、臨機応変に会話ができる人が存在します。
たとえば、SHOWROOMの前田裕二さん。DeNA時代の同僚で、僕が人事をやっていたときに面接官のひとりとして一緒に仕事をしたこともあります。
前田さんが出演しているテレビを観ていても、周囲の意見に対してまったく違った角度から納得感のある意見をされることが多く、類い稀な共感力の高さや臨機応変に対応する力の高さを感じます。
あるとき、「熊が降りてきて町の人が困っている」というニュースがありました。
スタジオの意見の流れは「熊を駆除するしかない」という方向に流れていたのですが、そこで前田さんがひと言。
「何とか熊と共存していく方法ってないんですかね? ドローンで監視しながら共存していくとか」
空気が一変したのを感じました。テレビを観ていた僕自身も、「なるほど!」と唸りました。
スタジオ全体が政府や行政に苦言を呈するなか、いろいろな視点を提供するほうが有益であると察して、自分の役割を瞬時に見極める。簡単にまねできる技術ではありませんが、自分の技術として吸収できたらとてつもない武器になることは間違いないでしょう。
でも、無理をしてまでそこを目指す必要はないと僕は思っています。
前田さんの共感力の高さは、とてつもない才能と卓越した努力の結果として身についたものだからです。
僕のように共感力がゼロに等しい人間がいくら努力をしたところで身につけられるものではありません。たとえ身につけたとしても、前田さんレベルにまで昇華するのはかなり難しい。
それよりも、自分が得意とする方法を模索したほうが実用性は高いと思うのです。
僕は、周りの人の意見に合わせて、臨機応変に自分の意見を変えることはできません。ですが、社会に存在するさまざまな問題に対してコメントをすることはそこまで苦手ではありません。
たとえば、「9月入学」というトピックに対しては、親としてこう思うとか、経営者としてこう思うとか、リモートワーク事業者としてこう思うとか、それぞれのポジションに合った自分なりの意見をメモ帳にたくさん残しておきます。
そして、急に話を振られたら、あたかも咄嗟に考えたようにそれらを話すのです。