「からだに悪い」は誤解! 受験や修学旅行にもおすすめ“低用量ピル”のメリット/思春期の性と恋愛 子どもたちの頭の中がこんなことになってるなんて!④
公開日:2020/11/16
性教育Twitterで人気の思春期保健相談士・にじいろが、子どもたちのリアルな疑問や悩みを集め、医師夫婦・アクロストンがそれに答えた1冊! 思春期の子どもの親として知っておくべき性の最新知識をご紹介します。
低用量ピル
FROMにじいろ
メリットが多いですよ
生理痛が軽くなるなど、メリットを感じています。特に月経トラブルのある受験生は婦人科を受診してピル(LEP)を処方してもらうと◎。
ピルは婦人科系のトラブルに非常に効果的です
「子どもにピルはまだ早い」「ピルは避妊したい人のもの」「ピルは副作用がひどい」。これらはすべて誤解です! 低用量ピルには、避妊目的で使用される経口避妊薬(OC)と生理痛や子宮内膜症による痛みなどの治療目的で使用され、保険も適用される低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤(LEP)の2種類があります。低用量ピルを飲むと排卵がなくなり、子宮の内膜も厚くならないので、生理は軽くなり経血も少なくなります。また、決められたときに生理が来るようになるので、旅行や受験に重なる不安もありません。
低用量ピルは、初潮があれば飲むことができます。「自然に排卵する生理がないのは、からだに悪いのでは?」と聞かれることもありますが、むしろ子どもを産む回数が少なく授乳期間も短い現代の女性は、生理の回数が多くなりすぎていて、本来の「自然な状態」とはほど遠い状態。生理の回数の多さが、子宮内膜症の増加の原因になっているほどです。
副作用には、血栓症、胸の張り、吐きけ、むくみ、不正出血などがあります。ただ、血栓症は喫煙していなければ起こる可能性はかなり低く、その他の症状は2〜3カ月飲み続けていると軽くなることがほとんど。受験や修学旅行などのイベントに生理があたらないようにするには2カ月前までの受診が必要ですが、初めての場合はからだを慣れさせるために半年前に受診しましょう。