横隔膜の上下運動は内臓にもいい影響が! 腹式呼吸で腸内環境を整えよう/一流が実践する人生を変える呼吸法②

健康・美容

公開日:2020/11/13

正しい呼吸法で心身を整え、代謝を上げよう! 一流のスポーツ選手や数多くの芸能人も実践している、人生を変える呼吸法。自律神経をリラックスさせ、腹横筋、肩甲骨などの体幹部や臓器を活性化する呼吸法をご紹介します。

一流が実践する人生を変える呼吸法
『一流が実践する人生を変える呼吸法 ~代謝が上がるだけで、パフォーマンスは飛躍的にアップする~』(宮崎裕樹/日本文芸社)

腹式呼吸は横隔膜が上下運動するので内臓がマッサージされる

一流が実践する人生を変える呼吸法

プロフェッショナルは健康面も重要視している

 私は、多くのアスリートやアーティストのトレーニング指導をしています。それぞれの競技や分野で必要な肉体を作り上げたり可動域を広げたり柔軟性を高めたり。競技を長く続けられるために試行錯誤して指導しています。

 その中で、いつも考えていることが「健康体」を維持することです。いくら強い体を作っても、不健康だとパフォーマンスは上がりません。まずは、健やかな体を作り、気持ち良く日常生活をおくれることが大事になってきます。

 プロフェッショナルの方々でも、病気にはなりますし風邪も引きます。アスリートは、負荷の高いトレーニングを日頃から行っているため、肉体面の疲労から免疫が落ちやすいこともあります。それらをケアしなければいけませんが、とても効果的なのが「呼吸」になってきます。

正しい呼吸のカギとなるのが横隔膜

 3章でも紹介しますが、アスリートやミュージシャンへのトレーニングでも、呼吸を大事にしています。

 呼吸は、体に酸素を取り入れて二酸化炭素を吐き出しますが、その役割を担うのは「肺」です。息を吸ったときに肺全体が膨らんで酸素を取り込み、息を吐いたときに肺が縮んで二酸化炭素を吐き出します。この肺の収縮を行っているのは周囲の筋肉であり、もっとも重要なのが横隔膜になるのです。

 呼吸をするための筋肉は、横隔膜の他に、肋骨の間にある肋間筋や腹直筋、腹斜筋などのお腹の筋肉、体幹部にあるインナーマッスルである腹横筋などが関係しています。これらを呼吸筋と呼ぶこともあります。

 この通り、呼吸をするには、横隔膜を中心としたお腹の活動がポイントです。横隔膜を上下に動かしますが、この動きを活発にできれば、同時に内臓がマッサージされるのです。

腸の働きを呼吸で良くする

 内臓がマッサージされると、胃腸に良い影響が出ます。

 腸内に溜まった老廃物や毒素が排出されやすくなりますが、最近は、腸内環境を整えることの効果が大注目されています。日頃の疲れやストレスが軽減されるだけでなく、体質改善や風邪、内臓系の病気のリスクを低下させられます。腸の働きが良くなると免疫力がアップするのです。

 腸内環境を整えるために、食生活のバランスを良くしたりなど、いくつか方法はありますが、手軽にできるのが「呼吸」をすることです。

 深く息を吸い、肋骨を広げながら横隔膜を引き下げお腹を膨らませます。そして、息を深く吐いたときにお腹を縮ませ、横隔膜を緩ませながら上げていきます。お腹が膨らんだり縮んだりコントロールすることで自分で簡単に整えられるのです。

 これらの効果があるため、私のトレーニングには、呼吸を取り入れた種目がたくさんあります。4章や5章で紹介していますので、ぜひ実践してみてください。

ドーム状の横隔膜が肺や内臓を動かす

一流が実践する人生を変える呼吸法
胸郭(肋骨)と内臓の間にある、ドーム状の横隔膜を上下させることで呼吸をする。息を吸うときに横隔膜が収縮し下がり、息を吐くときに横隔膜が緩んで引き上がる

<第3回に続く>