バズを狙え! 企業の「自虐」ツイートに宣伝効果はあるのか?

ビジネス

公開日:2020/11/26

バズを狙え! 企業の「自虐」ツイートに宣伝効果はあるのか?

 最近の企業広告は、いかにインパクトを高めてSNSでバズるかが成功のカギ。多くの人からTwitterなどで拡散されることを狙い、自社製品をあえて下げる「自虐宣伝」を行う企業も少なくありません。

「ベイク」が売れていない理由って?

 2019年7月に「森永製菓」のチョコレート公式Twitterアカウントは、「かつてのアイドル、焼きチョコ『ベイク』が何をしても売れず、絶望しています。。」とツイート。「ベイクを買わない理由」を100円で買い取るというキャンペーンを実施しました。

「ベイク」が売れていないことを逆手に取った自虐宣伝はTwitter上で大きな話題に。「カバンの中で中身がぶちまけられてたから」「嫌いじゃないけど、自分で買って食べようとは思わないな」「そもそもスーパーとかであまり見かけない」「値段がちょっと高く感じる」「なんかパサパサしてるから」「ネーミングが暑苦しくて、夏の暑い日に食べようと思えない」などと、「ベイク」に対する愚痴が多数投稿されています。

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 一見商品にとってマイナスのように思えますが、多くの人がTwitter上で「ベイク」という文字を見ることに。そのため「これは上手い宣伝だと思う。自分もこれで『ベイク』っていう商品の存在を思い出した」「『どんな風にリニューアルされるのかな』っていう期待感を煽ることにも成功している」「『そういえばそんな商品あったなぁ』って思わせた時点で森永の勝ち」と評価されているようです。

自虐宣伝には失敗例も?

 驚きの拡散力を誇る自虐宣伝。同年3月には「アサヒ飲料」の公式Twitterアカウントも、「ドデカミン」の自虐を炸裂させていました。同商品はマカやガラナなど、「12種類の元気成分」を前面に押し出してきた商品。しかし同アカウントは、「散々推してきた『12の元気成分』なんですが、まったく知られていないことが判明」「みなさん、『ドデカミン』の長所ってなんですか」とぼやいています。

 これに「ドデカミン」ユーザーからは、「そりゃデカいことでしょ」「デカさが魅力」「コスパ以外期待してない」との大合唱が。公式サイトでも「結局、デカいが、とりえです。」と開き直っており、大きな注目を集めました。

 今後も自虐宣伝は広告のトレンドになっていきそうですが、中には失敗してしまうケースも。以前「キリンビバレッジ」は「午後ティー女子」と称して、「ロリもどき自己愛沼女子」「モデル気取り自尊心高め女子」などとこき下ろすシニカルなツイートを投稿。これが「自社製品を買っている人を貶めるってどういうこと?」「単純に不愉快」と炎上してしまい、謝罪文を掲載するほどの騒動にまで発展しています。

 自社製品を自虐する際には、製品のファンまで貶めない配慮が必要なのかもしれません。

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