「BTSにハマるきっかけになった6曲」竹田ダニエル/私たちのK-POP偏愛プレイリスト②

エンタメ

更新日:2020/11/27

 すでにK-POPに慣れ親しんでいる人はもちろん、「『Dynamite』の次に何を聴けばいいの?」という初心者まですんなり楽しめるプレイリストを、K-POPを本気で愛してやまない著名人がごく私的な目線でセレクト!

vol.2 竹田ダニエル「BTSにハマるきっかけになった6曲」

竹田ダニエル

 第2回のゲストは、「気づいたらARMYになっていた」とBTSのファンを公言する音楽ライターの竹田ダニエルさん。


臼田あさ美「ZICOにまつわる5曲」/私たちのK-POP偏愛プレイリスト①

「BTSにハマるきっかけになった6曲」Selected by 竹田ダニエル

「KARAや少女時代など、いわゆる第二次K-POPブームはまさに“世代”でもあり、当時はAKB48や嵐と同列に“ポップで踊れるアイドル曲”として聴いていました。さらに音楽業界で仕事をするようになってからはK-POPを専門的な視点から聴き込むようになり、その楽曲クオリティやクリエイティビティの高さに圧倒されました。ジャンルにはめることのできない先鋭的なサウンド、アーティストの個性を引き出す曲構成のストーリー性など、K-POP業界の厳しい競争で生まれているのは爆発的な“イノベーション”とも言えます。

 そして、チャリティ活動やファンとアーティストの関係に強い魅力を感じ、数ヶ月前から見事にBTS沼にハマりまくっています。“音楽と社会”の接点で活動するBTSはまさに私のアーティストの理想像を体現しており、彼らの作る音楽や伝える言葉、そしてレベルの高いコンテンツを提供する裏方のことを知っていくうちに強く惹かれ、気づいたらARMYになっていました(笑)。

 音楽が好きな人、K-POPに詳しくない人にこそ彼らのストーリーを知ってほしいと思い、BTSを好きになったきっかけの6曲を選びました。どの曲から聴こうか迷っている方は、ぜひこのプレイリストから始めてみてください」

▶Play

 

①Dynamite/BTS

「BTSに本格的にハマったきっかけの曲! この希望も生命力も日々削られる世の中において“life is dynamite”と、苦しみや喜びを肯定するでも否定するでもなく、“未知の可能性”を祝福する歌詞や、純粋に音楽やダンスを楽しむ喜びを直感で味わえるような、甘く弾けるサウンド。高揚感を生む“ポップミュージック”の歴史を引き継ぐ名曲」

 

②Paradise/BTS

「BTSのことをもっと知るために色々な曲を聴いていった際に、大きな衝撃を受けたのが『Paradise』。もともとはポップ界の中心的人物MNEKが書いた曲で、音楽としてのクオリティがとにかく高すぎる! パワフルに変幻するメロディ、そして怒り、呆れ、希望のこもったラップを通して、世界中の若い人たちが必要としていたメッセージを伝えている。“止まっても大丈夫、理由すら知らないまま走る必要はないさ 夢がなくても大丈夫、少しの間幸せを感じる瞬間があるのなら”」

編集部注:MNEK…イギリス生まれのシンガーソングライター。ビヨンセ、マドンナなどの楽曲を手掛ける名プロデューサーとしても活躍中。

 

③Boy With Luv/BTS

「ありったけの愛を振りまく、聴くだけでハッピーな気分になれる魔法のような曲。人気アーティストHalseyとのコラボで、その爆発するようなポップさと共に韓国語と英語の融合が超気持ちいい! 一見シンプルな恋愛ソングのようだが、ファンとの信頼関係や互いの成長を振り返る裏テーマも持ち合わせている。あまりに尊すぎて、毎日拝みたくなるほどの名曲」

 

④FAKE LOVE/BTS

「『Boy With Luv』との対比になるような、ダークな世界観。エレクトロとロックを織り混ぜたサウンドはアメリカのポップ市場でも強い存在感を示し、クラブや大型フェスで頻繁に流れた。BTSのメンバーそれぞれの個性を強く引き出したユニークな曲でもあり、彼らにしか作れない革新的なブランドを世界に知らしめた大きなきっかけでもある」

 

⑤Black Swan/BTS

「“芸術的”という言葉がぴったりすぎるほど、曲、振り付け、MV、ストーリー全体のクリエイティブが群を抜いている。クラシックバレエを連想させるストリングスと重いトラップビートの融合と共に、可憐な歌声とダークなラップが交わり合う。“音楽に動かされなくなる日が来ることへの恐怖”を語る歌詞は、自分にとっての“本当の音楽の意味”に気づいたアーティストによる告白でもあり、BTSの音楽への真剣な向き合い方を聴く人にも突きつける」

 

⑥Love Maze/BTS

「多幸感溢れる、隠れた名曲。ボーカルラインとラップラインの良さが両方味わえる、まさにBTSの愛が詰まりまくった一曲。キックもベースも多めなのにエアリーな高音ボーカルの良さを引き出しており、畳み掛けるラップとビートを絡ませるサウンドプロデュースの技術がとにかく最強!“Let them be them, let us be us”という歌詞で象徴されるように、この曲も“Love Yourself”のテーマの一環。自分を愛すること、幸福を他人任せにしないことを訴えている」

構成=フィリョーズ彩乃

 

<第3回につづく>