年間12兆円の経済損失!? 知らないとヤバい「DX」と「2025年の崖」
公開日:2020/12/7
近年「デジタルトランスフォーメーション(DX)」や「2025年の崖」といった言葉が注目を集めていますが、一体どのような意味なのでしょうか。今後の社会を生き抜くためには、必須の概念になるかもしれません。
「DX」を実現させないと将来的にヤバい!?
まず「デジタルトランスフォーメーション(DX)」とは、経済産業省によると「新たなデジタル技術を活用して新たなビジネスモデルを創出・柔軟に改変」すること。一方で刷新が必要な既存のシステムは「レガシーシステム」と言われています。
色々と難しい話なので結論からざっくり言うと、「レガシーシステム」の抱える問題をどうにかして「DX」を実現しないとヤバい…… ということ。経済産業省が公開した「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」のレポートによると、ブラックボックス化していく「レガシーシステム」が今後の足かせになってしまうそうです。
まずあげられるのは「人材」の問題で、既存システムの保守・運用を担っていた世代が高齢化。彼らが退職することによりノウハウが失われ、よりブラックボックス化が加速してしまいます。そうなると既存システムのデータを活用できないため、「DX」の実現も困難に。またレガシーシステムを放置しておくと保守・運用に人材が割かれ、「IT人材資源」の浪費に繋がるとも指摘されていました。
「2025年の崖」が迫っている!?
経済産業省はこのような課題を克服できない場合、2025年以降1年間で最大12兆円もの経済損失が生じると発表しています。これが最近問題視されている「2025年の崖」。字面からしてかなり不穏なワードですが、レガシーシステムの課題をクリアしなければ本当に「崖」から落ちてしまうかもしれません。
実際に「一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会」が行った調査では、約7割の企業がレガシーシステムについて「足かせになっている」と解答。理由については、「ドキュメントが整備されていないため調査に時間を要する」「レガシーシステムとのデータ連携が困難」「影響が多岐にわたるため試験に時間を要する」との声が寄せられていました。
またネット上では、「たしかにうちの会社も数十年前からあるクソシステムをずっと使ってるなぁ」「古いシステムで時間を浪費している実感は現場にもある」「カスタマイズを繰り返して複雑になった古いシステムって、今の従業員が退職したら誰も使えなくなるよな」との声が。すでに「DX」の必要性を感じている人も少なくないようです。
しかし「DX」を実現するためには、既存システムの問題を解決するだけでなく業務自体の見直しも必要。「2025年の崖」を回避することはできるのでしょうか。