ストッキングの驚きの活用術! 「逃げ恥」「極主夫道」の家事監修を手掛ける著者の“楽ラク家事テクニック”
公開日:2020/11/27
家事が苦手――。そう思っている人は、きっと多い。しかし、どの家事のどんなところが苦手かと聞かれると言葉に詰まってしまうのでは? そんな風に家事への苦手意識を漠然と抱えている人に、ぜひ読んでほしいのが『ズボラさんでも暮らしが整う楽ラク家事』(高橋ゆき(※)/主婦の友社)。本書に記されている“家事の捉え方”は、斬新だ。
私たちはどうしても「家事」を一括りにして考えてしまう。けれど、ひとつひとつを解体してみると、「好きな家事」と「苦手な家事」があるはず。こうして分かった「苦手な家事」との向き合い方を改めることができたら、日常はもっと楽しいものになる。
著者の高橋ゆきさんは、大ヒットテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」や「極主夫道」の家事監修を手掛ける家事研究家。本書では家事を場所別にピックアップし、楽しくラクに家事ができるテク“楽ラク家事”を紹介。やり方はもちろん、かかる時間や使う道具、おすすめの頻度なども解説している。
楽ラク家事の「基本メソッド」とは?
楽ラク家事を実践する上で、まず心がけたいのが「あわてない」「あせらない」「優しい気持ちで」の3ルールを意識すること。家事は本来、家族や自分が気持ちよく過ごせるように…という「愛」から始まっているもの。高橋さんは、イライラした時にこそ、この原点を思い出してほしいと語る。
そして、身近なものにワンテクを加えたアイデアツールを使って家事効率をあげることも大切。例えば、5本ほどの綿棒を扇状になるように輪ゴムでとめた「綿棒せんす」は指が入らない場所のホコリを除去してくれる。ストッキングは万能選手で、三つ編みしたり、靴下を芯にして団子状に丸めたりすると、場所や汚れに適した掃除道具になるのだ。
他にも、第1章には掃除の正しい順序や洗剤の選び方など、意外と知らない「基本」がもりだくさん。ぜひ一度、原点に戻り、自分の掃除をアップデートしていこう。
シンクを綺麗にすればキッチンは美しく見える!
油汚れや水アカ、においなど悩みのバリエーションが多いキッチンの掃除を苦手に感じている人は多いはず。しかし、キッチンはちょっとしたポイントさえ押さえれば、見違えるほどピカピカにできる場所でもある。
高橋さんいわく、キッチンを美しく見せるには、日頃から「ちょこちょこ掃除」をすることが大切なのだそう。ズボラさんにとって、これは一見ハードルが高く思えるかもしれないが、高橋さんが勧める「ちょこちょこ掃除」は調理のついでにコンロをサっと拭く、洗い物のついでにシンクを磨くなど簡単なものばかり。特にシンクは一番目につきやすく、水アカがあるとキッチン全体がくすんで見えてしまうため、「ついでの一拭き」を習慣化させたい。
なお、ステンレスを磨く時は力を入れず、ヘアラインに沿って一定方向に拭くのがポイント。三つ編みしたストッキングで蛇口の根元やシンクのヘリなどを仕上げ磨きすると、輝きは倍増する。
また、悩みの種になりやすいキッチンの排水口は泡タイプの漂白剤をスプレーし、ビニール袋に入れて水を加えて10~15分ほどつけ置きすると短時間で綺麗に。憂鬱な換気扇掃除は40~50℃位のお湯に重曹を入れた「重曹プール」に換気扇をつけ置きすると、汚れがツルンと落ちるのだそう。
他にも、高橋さんはトイレやお風呂、玄関、外回りなどの時短掃除術も紹介。中でも、毎日のバスタブ掃除が楽になるマル秘テクニックや身近なものを活かした網戸・桟の清掃術は個人的に衝撃を受けたので、ぜひチェックしてみてほしい。
自分なりの「家事の捨て方」を考えてもいい
単に時短になる家事ノウハウが掲載されているだけでなく、「家事がしんどい」という読者の気持ちに寄り添い、頑張らなくてもいい対処法を教えてくれるから、本書は読者の心を掴む。
高橋さんは本書で、主婦たちから寄せられた悩みや疑問に回答しているのだが、そちらにも愛がある。例えば、「大掃除をできるだけ楽にしたい」という相談には、年末に一気に掃除するのではなく、年の初めに月ごとのテーマを決め、少しずつ終わらせていこうとアドバイス。シーズンごとに出てきやすい悩みを踏まえ、具体的な年間掃除計画を教えてくれてもいる。
やりたくない家事は家族にお願いしたり、プロに頼んだりして自分に合った「捨て方」を見つけてもいい。そう訴える高橋さんの言葉を聞いたり、する側の心を気遣った家事術を知ることによって気持ちが楽になる人は、どんなに多いだろうか。
苦手な家事に対する心持ちが変わり、暮らしがもっと楽しくなる楽ラク家事。ぜひ本書を通して、自分の時間がなくならない家事術をマスターしてみてほしい。
文=古川諭香
(※)高橋ゆきさんの「高」は「はしごだか」が正式表記です。