ググっても分からない? テストを「何でも持ち込み可」にした結果…
公開日:2020/12/22
今はスマートフォンやPCなどで割と何でも調べられる時代。中には「調べれば何でも出てくるんだから、学校なんか行かなくていい」という人もいるようですが、果たして本当にそうなのでしょうか。
「基礎知識」を調べるための「基礎知識」が必要?
とあるTwitterユーザーが、大学の講義の試験で「何でも持ち込み可」にしたエピソードを紹介。当然スマートフォンなどの情報端末も持ち込み可能なので、生徒は試験中に答えを調べることができます。テストの内容も基礎的な知識なので、しっかり調べれば出てくるとのこと。しかし試験の結果は、半分の生徒が落ちるという残念な結果になってしまいました。
どうやら基礎知識を調べるためには、「基礎知識を調べるための基礎知識」が必要だった模様。確かにネットのどこかには出典元がしっかりした「正しい情報」も転がっているかもしれませんが、それを探し出せるかは別の話です。またどんな情報に行きあたっても、正しいか間違っているかを判断できなければ無意味。そのためには「しっかりと見る」といった根性論ではなく、判断材料となる「知識」が必要となります。
つまり「調べればわかる」というのは、情報を選別するための基礎知識を持った人に限った話。「何でも持ち込み可」のテスト結果には、他のTwitterユーザーからも「正しい知識を探すには正しい知識が必要ってことだね」「『知らないこと』を調べるのは不可能だからなぁ」「そもそも勉強してたら調べなくてもいいし合理的」と納得の声が上がっていました。
「ググればわかる」は過去のもの?
とはいえ最近は、「ネットで調べれば何でもわかる」という人が減っているような印象も受けます。SNSやネットニュースなど情報を集める手段は格段に増えましたが、ユーザーからは「そもそもネット上に『正しい情報』が落ちてるとは思ってない」「ネットの情報は『入口』くらいにしか思ってないなぁ」「アフィブログとか悪質なまとめサイトとか、情報のノイズが多すぎる」との声が。情報が多すぎる故に、不便を感じている人も少なくありません。
またネットの情報が充実するほど、基礎的な教養や文献の有用性が見直されるという現象も。「本当に正確な情報を探したい時は図書館とかを使う」「ネットを使えば使うほど『もっと学校の勉強をちゃんとやればよかった』って思えてくる」「ネットが広まった当初は『情報の価値が下がる』って言われてたけど、現状はむしろ情報の価値が上がってるんだよなぁ」などと指摘されていました。
「ググればわかる」「電卓があれば算数はいらない」という価値観はすでに過去のものなのかも。これからの時代は、より「情報を取捨選択するための知識」が求められるのではないでしょうか。