運用終了したスパコン「京」。2位じゃダメだった理由が語られる
公開日:2020/12/23
都市伝説かと疑いたくなるような「みんな1位」の運動会など、いまだに出る杭は打たれる風潮が根強い日本。あまり「1番になること」を重視しない人も多いようですが、本当にこのままで良いのでしょうか?
「京」は2位じゃだめだった?
以前東京大学の助教授である諏訪秀麿さんが、Twitterでスーパーコンピュータ「京」について言及。「日本が世界一を獲った最後のコンピュータになるかもしれません。気付けば世界一を目指さないのが当たり前になってきた気がしますね」と持論を展開していました。
「京」は2012年に完成したスーパーコンピュータで、コンピュータシステムの速さを評価するプロジェクト「TOP500」では世界第1位に選出されたことも。しかし「京」が完成するまでには、「事業仕分け」で予算を縮減されるなど様々な困難がありました。蓮舫さんの「2位じゃダメなんですか?」という言葉は今も印象に残っている人が多いはず。そんな「京」に関連させて諏訪さんは、1位を目指す意義について「世界一のスパコンを作るというのは、日本の科学技術力の象徴として意義があったのだと自分は思います」「莫大な予算を取ってくる理由として『役に立つものを作りたい』だけでは弱すぎる」と語っています。
結果的にみれば、世界1位を目指す姿勢は正しかったとのこと。これにネット上では「ジャパンブランドを強くしていくためにも、1位を作る必要があった」「最初っから2位や3位を目指していたら、恐らくTOP10にも入らないでしょ」「1位じゃないとダメなんです!」との声が寄せられていました。
「2位じゃダメなんですか?」発言の真意とは?
ちなみに「2位じゃダメなんですか?」という言葉だけが切り取られて1人歩きしていますが、「1位を獲る必要はない」という意味ではなかったそうです。2018年に放送されたインターネット番組「議員GO」(AbemaTV)では、蓮舫さんが自らあの言葉の真意を説明。「無尽蔵に税金が使われているので、『一体いつ実現するのか。2位じゃダメな理由を説明してください』と言ったら答えられなかった。説明なしで税金を使うことを問うのが事業仕分けだった」と語っていました。
そんな蓮舫さんは1位を目指すことについて、「それぞれの皆さんは1位を目指さないといけないと思う」とコメント。彼女自身も、実際は「2位じゃダメ」だと考えているようです。
その他トップを目指す理由について、ネット上では「1番を獲ろうとした経験は、間違いなく役に立つ。最初から2位を狙ってたら何も得られない」「たとえ1位を獲れなかったとしても、『獲ろうとした』ことが大事だよね」といった意見が。1位を狙っているからこそ、得られるものもあるのではないでしょうか。