「大手ゼネコン」って実際にはどんな仕事をしているの?

ビジネス

公開日:2021/1/4

「大手ゼネコン」って実際にはどんな仕事をしているの?

 街で見かける様々な建造物を作っている大手ゼネコンですが、実際にどのような仕事をしているのでしょうか。2019年8月に放送された「がっちりマンデー!!」(TBS系)では、「清水建設」の仕事に密着していました。

「清水建設」の現場が明らかに!

 番組では「清水建設」が請け負っている建設現場を取材。例えば同社がメインの仕事としている「ビルづくり」では、都心部の高層ビル建設現場に密着しています。番組が取り上げた現場では、地下2階、地上40階の150mに及ぶビルを建設中。取材に応じた建設所長の飯塚実さん曰くビルづくりで一番大事なのは「杭」で、このビルの場合は68本もの杭が地上から40m下まで打ち込まれています。

 どのように杭を打ち込むのかというと、まず高さ数十メートルもある筒状の鉄筋を掘削した穴の中へ。その後コンクリートを流し込んで固めたら杭の完成です。つまり「杭を打つ」というよりは、「杭を流し込む」といったイメージ。そんな杭づくりで得に重要なポイントについて、飯塚さんは「やっぱり40mもあるので、真っすぐ打つこと」と語っていました。

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 また「清水建設」は、大手ゼネコンで唯一「社寺建築部門」を置いている企業。年々減ってきている宮大工たちを全国から集め、神社やお寺といった伝統建築の復元などを行っています。当時の仕上がりを再現するため、建築には昔から使われてきた道具を使用。社内の宮大工たちは、奈良時代に使われていた「槍がんな」や「手斧(ちょうな)」などを使用していました。

大手ゼネコンが抱える問題とは?

 街の発展を裏で支えている印象のゼネコンですが、今回の「がっちりマンデー!!」でその仕事内容が明らかに。中々見られない映像に、視聴者からは「色々と工夫があって面白かった」「多くの職人さんたちが街を作ってるんだなぁ」「自分も建築系の仕事してるし、かなり興味深い」「ゼネコンがテレビでこんなに取り上げられるのって珍しいな」「宮大工さんたちが格好いい!」といった声が上がっています。

 しかし一見盤石なように思える大手ゼネコンにも、懸念されている問題は色々とある模様。「清水建設」の代表取締役社長・井上和幸さんは、あと10年もしないうちに現場で働く高齢者の職人たちが一挙に辞めてしまうと語っていました。井上さん曰く、10年後には3分の1もの職人がいなくなるとのこと。実際に「清水建設」は人手不足の解消を目指し、自社主導の施工協力会社求人情報サイト「匠を目指す人集まれ!」を立ち上げています。

 人手不足は「清水建設」に限らず建設業界全体で問題視されているようですが、やはり建物を建てるためには人が必要。中には「機械化」などに力を入れている企業も少なくないようですが、今後街づくりはどのように変わっていくのでしょうか。