あなたのマスクの使い方は正しい? 「第3波」に備えて覚えておきたいコロナ対策
更新日:2020/12/2
冬が近づき、新型コロナウイルスがふたたび猛威をふるい始めている。かねてより懸念されていたことではあるが、この原稿を執筆している時点でも、11月17日に北海道札幌市が市民に対して“不要不急の外出自粛”を要請。同月19日には、東京都でも1日あたりで533人の新たな感染者が確認されるなど、冬本番に向けて全国的に“第3波”を警戒する声が高まりつつある。
この時期にいま一度見直しておきたいのが、日頃の感染対策だ。『今日からできる!暮らしの感染対策バイブル』(堀成美:監修/主婦の友社)は、新型コロナウイルスに関する身近な予防策や外出時の注意点、基礎知識などを感染症の専門家が解説する1冊。自分だけではなく、周囲の人びとを守るためにも覚えておくべきことが網羅されている。
感染リスクを下げるマスクの正しい使い方
買い物や通勤など、コロナ禍であってもそれぞれの事情により、外出しなければならないときもある。マスクをつける習慣もすっかり定着してきたが、そもそもの役割が本書では解説されている。
マスクには「ウイルスを周囲に飛散させない」という役割がある。例えば、くしゃみをした場合には手でおおったとしても、目の前にいる人に対して指のすき間からも飛沫が飛び散ってしまうが、マスクをしていれば、自分の顔の周辺に飛沫の飛び散る範囲が限られるので、感染のリスクは格段に下がる。
また、マスクをつけると自分の顔を触る頻度も下がる可能性があるため、指に付いたウイルスの感染を予防することにもつながるが、以下のように、正しい使い方も覚えておく必要がある。
重要なのは「鼻と口をマスクでしっかりとおおう」ことだ。さらに、マスクの表面にウイルスが付着している可能性もあるため、はずすときはひもを持ってはずすように心がけて、表面を触ってしまった場合にはしっかりと手を洗う。そのため、自宅へ帰ってからは「マスクをはずし、次に手洗いする」という順番を守るようにしておこう。
つり革や手すりを触ったあともしっかりと手洗いを
コロナ禍で職場のリモートワーク化がすすんだといっても、やはり、やむをえず通勤しなければならない人たちもたくさんいる。行き帰りの通勤電車も感染するかどうか気になる場所ではあるが、電車内でもいくつかの注意するべきポイントがある。
モノに付着したウイルスにより接触感染を起こす可能性もあるが、満員電車となると、どうしてもつり革や手すりにつかまらなければいけない状況もある。そもそも接触感染の場合、ウイルスが付いた箇所を触ること自体ではなく、そこから手で顔などを触ることで感染するリスクがあるため、電車を降りたらなるべく早めに、手を洗うのが予防策となる。
また、できる限り安全な車両を選ぶのもひとつの方法であるが、マスクをせずに大声でしゃべっている人が乗っている車両は、避けた方がよい。ギュウギュウ詰めの車両では難しいかもしれないが、もし乗り込んでから気が付いて移動できるのであれば、別の車両へ移る選択肢もある。
エアコンを使っていても室内の換気は必要
冬へさしかかってからは、自宅での“家庭内感染”が増加傾向にあると指摘されている。外出時のマスク着用や手洗いなどを徹底していたとしても、気を付けるべきポイントはいくつかある。
寒さも厳しくなりつつあるが、やはり心がけておきたいのは換気だ。エアコンの暖房で部屋を暖かくしている人たちもいるはずだが、基本的にエアコンは室内の空気を循環させているため、ウイルスの感染を予防するためには定期的に窓を開けて換気する必要がある。ただ一部、換気機能が付いたエアコンもあるので、この機会に付け替えるのもひとつの方法だ。
また、ウイルスの感染が懸念される一方、外出の機会が減ることにより家族に違った形で影響が出る可能性もある。
例えば、高齢者の場合には「感染したら怖い」と家にこもりがちになることで、体力の低下や認知機能の低下なども懸念される。遠く離れて生活しているのであれば頻繁に電話する、自宅で行える簡単な運動をすすめるなど、積極的なコミュニケーションを図るようにしておきたい。
ウィズコロナやアフターコロナ、新しい生活様式といったコロナ禍にまつわるキーワードも、だんだんと浸透しつつある昨今。前例のない状況に未だとまどう人たちも少なくないかもしれないが、本書も参考にしながら、この冬をぜひとも乗り切ってもらいたい。