ダメな営業マンほど、自分のやり方に固執しがち。お客様との対話を見直そう!/ヨイショする営業マンは全員アホ②

ビジネス

公開日:2020/12/11

きれい事一切なしの超実践型、現場営業論! 「最初の雑談はすっ飛ばしてもいい」「お客様の信頼を失う行為」など、著者が営業マンとして現場で気づいた“売れる”人間力を生み出す39の法則から、一部を抜粋してご紹介。

ヨイショする営業マンは全員アホ 1%だけが知っている禁断の法則
『ヨイショする営業マンは全員アホ 1%だけが知っている禁断の法則』(宋 世羅/飛鳥新社)

雑魚な営業マンほど、自分の型を崩せない

 契約していただくために、お客様に対して商品の説明をするのが商談です。お客様と膝を突き合わせてしっかりとお話しするわけですが、「こんな商談をしている奴はセンスがない」という特徴がいくつかあります。

 

 まずは、自分の言いたいことと、お客様の要求に対する返しのバランスが悪い営業マン。

 どういうことかと言うと、営業マンにはもっていきたい自分の流れというものがあります。最初にこれを言って、これを聞いて、ここでニーズを喚起して……という具合にある程度決まった型があるんですね。

 できれば、営業マンはこの自分の型通りにやりたい。一方でお客様側にも、望んでいることや聞きたいことがあります。センスのない営業マンは、このバランスが上手くとれないのです。

 自分の言いたいセールスのことばかり話す自己中野郎か、もしくは相手の求めていることを返すばかりの愚痴聞きホステスのパターンか、このどっちかになっている。

 ここのバランスを上手くとることが大事で、相手の求めていることにも対応しながら、営業マンとして伝えたいことも伝える必要があります。

 

型を外す対応力

 このバランスをとるために必要になってくるのが、型を外す対応力です。

 途中でお客様が面倒くさそうにしていたり、飽きてきていると感じたら、次はこの説明を入れる予定だったけど変更して一気に結論まで言っちゃおう、というように、お客様の反応を見て自分の型を崩せるかどうか、これが重要になってきます。

 野球にたとえると、自分が直球に強いバッターだとします。できればストレートを打ちたいので、ストレート待ちをしているのですが、相手のピッチャーが変化球を投げてきそうだったら、瞬時に変化球待ちに変更する。その場の反応を見て対応を変えられる、臨機応変さを持てるかどうかということですね。

 

 センスのない営業マンというのは、自分の型を崩せません。たとえば、お客様がちょっと面倒くさそうな表情だぞという状況でも、なりふり構わず自分の型通りの説明の順序でずっと話し続けてしまう。

 特に、経営者相手の商談となると、こちらの型通りに進むことは少ないです。自分の勝ちパターンには当然もっていかなければいけないですが、その型通りにいくことは少ないので、臨機応変にその場で対応しなければなりません。

 ガチガチに決めてかかるのではなく、頭を柔らかくして商談に臨むべきなのです。

 

一気にぶった切って、本題に戻す

 経験上、年配の経営者の方に特に多いのですが、商談中に話題がコロコロと変わることがあります。趣味のゴルフの話をしていたかと思えば、本題の保険の話になり、さらに社長の本業の話になって、またゴルフの話に戻って……というような。

 話題が散らばりまくったまま時間だけが過ぎ、営業マンとしてこちらが言いたいことが何も言えてねえ〜という状況ですね。センスのない営業マンは、このように話題が散らばったままの状態で帰ってきてしまうことがあります。

 普通、友達の恋愛相談ですら、何かしらの結論は出して終えるだろって話なんですが、このように話題がコロコロと変わってしまう時に、どうすればいいのか。

 正解は「一気にぶった切って、本題に戻す」です。

 

 具体的には「すみません、本題のところなんですが」と、一気に真面目モードに切り替えてしまう。同時に雰囲気もガラッと変えていくのがポイントです。

 この時、ちょっと気が弱い営業マンだったら、趣味の話で雰囲気がよくなっているのに急に本題の真面目な話に戻していいのか、不安かもしれません。

 でも、こう考えてみてください。保険の営業マンである私が、保険の商談でアポを取ってお客様と会っているのだから、本題である保険の話をしなければ、それは罪です。お客様も私という保険の営業マンと会う時間をつくっています。逆に礼儀として、本題の話はしっかりとしなければいけないのです。

 

プライドを持つ場所を間違えるな

 主導権を握るところと渡すところが逆、というのも商談センスのない営業マンの特徴です。

 たとえば、商談の前に「学生の頃、ボクシングのインターハイで金メダル取ったんですよ」などと、どうでもいい雑談でイキりちらしておいて、いざ商談になると、めちゃめちゃ弱気なチワワになってしまう営業マンがいます。

 これは、自分が過去にやってきたどうでもいいことのプライドで会話の主導権を握ろうとしているわけですが、現在プロとしてやっている仕事では全く主導権を握れていません。なぜこういうことが起きるのかというと、プライドを持つ場所を間違えているからです。そういったプライドに対する感覚が狂っている奴は営業センスに表れます。

 学生時代にやってきたことだとか、会社のトップセールスで成績がいいだとか、そういったことはクソどうでもいい話なので、そこで主導権を握る必要はありません。ただし、プロとしてやっている以上、商品の提案や商談に関してはプライドを持って絶対に主導権を握ってください。

 

商談の最後には、覚悟と責任を示せ

 商談の最後は、お客様に向かって、

「この商品がいいと思います」

「選択肢は二つありますが、〇〇さんにとってはコレがいいと思います」

 というふうにクロージングの言葉になりますが、私はこの商談の最後の言葉をプロポーズのようなイメージで考えています。プロポーズをする時って「絶対に幸せにするから俺と結婚してくれ」と言い切ると思うんですよね。要するに、覚悟と責任を示さないといけないということです。

 センスのない営業というのは、このプロポーズという最大の局面においても、あわよくば相手から告白してくれたらいいのになぁというスタンスでいたりします。

 商談の最後には、必ず営業マンから覚悟と責任を示さなければならないのです。

<第3回に続く>

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