言いたいけど言えない! でも誰かに言ってほしい! そんなお悩み、「黒いネコ」がズバッと解決!!

マンガ

公開日:2020/12/15

言いにくいことはっきり言うにゃん
『言いにくいことはっきり言うにゃん』(Jam/笠間書院)

 今の時代、人間関係が希薄になったといわれるが、それでも人間はひとりで生きられるわけではない。友人や家族など、さまざまな人間関係は厳然として存在するし、相手がいればコミュニケーションが必要になってくる。円滑な関係であれば問題ないのだが、どこかに不協和音があればそれを指摘したくなることもあるだろう。しかしそうすると相手との間にわだかまりが残り、関係がギクシャクしてしまうかもしれない。だから遠慮して、つい我慢してしまう……。多くの人は、そういう経験を一度ならずしているのでは。『言いにくいことはっきり言うにゃん』(Jam/笠間書院)は、そういう「言いにくいこと」に対してどのように対応すればよいか、著者の経験などからアドバイスをしてくれる。

 ゲームグラフィックデザイナーやイラストレーターでもある著者は、日常で起こる人間関係の悩みを描いた「パフェねこシリーズ」がツイッターで大人気。悩みを相談された経験などから、本書を「仕事の悩み」「友情の悩み」「恋愛の悩み」「自分の悩み」の4テーマに分類。「言いたいけど言えない」ようなお悩みを、目つきの悪い「黒いネコ」がズバっと両断してくれるのだ。多くの悩みが寄せられている中、その一部を見てみよう。

上から目線でアドバイスされた!

 身近に「頼んでもないのに上から目線でアドバイスしてくる人」は、結構いるのでは。イラっとしても、なかなかそれをハッキリいえないのが現実だろうか。そんな悩みに著者は「下から目線で反撃しようぜ!」と答えている。つまりこういう「マウントを取りに来る人」は、プライドが高く自分が一番でないと気がすまないタイプ。強く拒絶するとカドが立つが、アドバイスに対しやんわりと「もう知ってますよ」とか「他にこんな方法もあるよ」とか返してやると、マウントを取れないと感じて次からは来なくなるという。曖昧な態度で返事をするのが一番よくないことなので注意。

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なんでモテないんだろう?

 恋愛相談は多種あれど、究極なのは「なぜモテないか」だろう。そんな相談をされても「知らんがな」としかいえないが、無論いえるはずもなく……。ただ、確かに眉目秀麗でコミュ力も高く、友人にも慕われる人が、なぜかモテないというケースは存在する。それは一体なぜか。著者の見立ては「多分、知りすぎた」ということである。どういうことかといえば、あまりに面倒見がよすぎて、立場が「相談役になってしまった」ということだ。そして相談を受け「知りすぎて」しまった結果、恋愛対象から外されてしまうと……。あと、あまりに完璧な人間も近寄りがたくなるので、何事もほどほどが肝要だ。

将来のことを考えると暗い気持ちに……

 現在はコロナ禍で、飲食業など多くの人々が先の見えない生活を強いられている。将来のことも自然と考えてしまうだろうし、不安に苛まれるのは当然といえる。心配をかけたくないから周囲には「大丈夫!」とアピールすれど、吐露できない悩みを抱えている人は少なくないはず。こういう悩みに著者は「先のことは起こるときまで妄想」だと指摘。わざわざ悪いことばかり妄想して暗い気持ちになるよりは、なんでも都合よく考えたほうが楽だよ、と。ある程度、現実的なことをシミュレートして対策するのは大事だが、必要以上に自ら不安を煽ることもないのである。確かに、10億円の宝くじが当たることを妄想するほうが、精神衛生上はよさそうである。

 SNSでもうかつに「言いにくいこと」をつぶやいてしまうと、すぐさま炎上してしまう昨今。それでも誰かに「言ってほしい」と思うことはあるだろう。私にも当然、そういうことはあるが、いえそうにないのでこう思うことにしている。……近所から大音量で響いてくるピアノは、将来すごいピアニストになる人が弾いている……と。

文=木谷誠