コミュ障でメンタル弱めの30代女子が、モヤモヤの毎日を解消し、お気楽ひとり暮らしを手に入れるまで
公開日:2020/12/17
ミニマリストの整理術本や「シンプルに暮らす」「収入が少なくても豊かに暮らす」といったアイデア本が最近は人気である。そんな中で単なるアイデア本でなく、生きる勇気をもらえたのが『36歳独身、派遣OL、女子力ゼロ お気楽ひとり暮らし。』(KADOKAWA)。
メンタル弱めで人間関係に悩んで仕事を辞め、10年付き合った彼とも別れたyorikoさんが、「マジで、何もない。人生終わった感」状態から、小さな幸せを見つける方法を綴った一冊である。
本を開いて目にするのは、こんな言葉。
ミニマリスト的な生活で、足るを知ろうと悟ったフリをしてみたり、
ストレスフリーを目指して、働き先を模索してみたり、
お金の不安を打ち消そうと、節約大作戦をしてみたり。
生活をより良くしようと、いろいろ頑張りました。
でも、頑張れば頑張るほどドンドン虚しくなって、悲しくなって、
心底疲れました。
頑張れば、頑張るほど虚しい、って「ある、ある」だ。
その虚しさが生まれるのは、「世間の目ばかり気にして“もっと素敵な人生にしなきゃダメ”という宗教に取り憑かれ、自分で人生のハードルを高くしているから」とyorikoさん。
極当たり前の夢も、フルスペックで手に入れようとしたら大変なことになります。でも私は、仕事も、恋愛も、人間関係も、全てに合格点を求め、全てを手に入れようとしていたんです。
欲張りすぎて、ヘトヘトに疲れきって、本当に自分がやりたいことさえ、見えなくなっていた。そんなことに、30歳を過ぎてようやく気が付きました。
自分を変えたい!
そして2019年4月、彼と別れたyorikoさんは、6畳ひと間でユニットバス、クローゼットなしの19㎡のワンルームで人生の再スタートを切った。
「行動することでしか自分は変えられない」と悟ったからだという。
この先どうなるんだろうと考えていると、不安は広がっていくばかりです。(中略)
モヤモヤがどこまでも広がってしまうのは、何もしないで夜な夜ないらぬことを
考えてしまうから。何か一つでも行動したら、不安は和らぐんです。
いらぬことを考えないためにも大切なのが、毎日のルーティンだ。
本書を読んでいると、試行錯誤しながらも決めたことを淡々とやることで、生活が整い、やがて心も整っていったyorikoさんの変化が手に取るようにわかるのが、面白い。
「19㎡のワンルームでも、ミニマルに暮らす楽しみを見つける方法」や「食費月1.5万円でも美味しい、ひとりご飯とお弁当」、「安月給でも毎月6万円貯める節約術」などは、具体的なヒントがいっぱい。
そして、「モヤモヤの毎日を解消して自分を大切にする」方法が綴られたメンタル編には、「HSPって私のこと!」と思うほど気にしぃでコミュ障だったyorikoさんが、お気楽に生きる術を手に入れるために実践してきたルーティンが詰まっている。
メンタル弱め、人間関係&コミュニケーション苦手という人はもちろん、頑張りすぎの毎日を送っている人にも、読んでもらいたい。
文=丸山佳子
【著者プロフィール】
yoriko
30代ミニマリストの派遣社員OL。ブログとYouTubeで、ストレスフリーなミニマルライフを発信。派遣社員でも、未婚でも、アラサーでも、アラフォーでもお気楽に暮らしたい! 整理収納アドバイザー1級。
YouTube:yoriko’s life
Twitter:@yoriko_minimum
Instagram:@yorikko33
Blog:ミニマム・エッセイ