話題沸騰中! 仕事の「片づけ」だけでときめく働き方が手に入る? 最新こんまりメソッド

ビジネス

更新日:2021/8/30

Joy at Work ジョイ・アット・ワーク 片づけでときめく働き方を手に入れる
『Joy at Work ジョイ・アット・ワーク 片づけでときめく働き方を手に入れる』(近藤麻理恵、スコット・ソネンシェイン:著、古草秀子:訳/河出書房新社)

 2010年に出版された『人生がときめく片づけの魔法』は全世界で1200万部を突破している。Netflixで冠番組を持ち、アメリカ全土に「ときめき」を伝播させた「KonMari(こんまり)」。『Joy at Work ジョイ・アット・ワーク 片づけでときめく働き方を手に入れる』(近藤麻理恵、スコット・ソネンシェイン:著、古草秀子:訳/河出書房新社)は、そんなこんまり氏と組織心理学者でキャリアづくりを専門とするスコット・ソネンシェイン氏との共著で、「ときめく働き方」を片づけで手に入れる方法を記した本である。

 目次では「仕事場」「デジタルデータ」「時間」「決断」「人脈」「会議」「チーム」と片づける項目が具体的に並び、2人の著者が交互に執筆している。

オフィスや仕事の「片づけ」で得られるもの、失うもの

 片づけが仕事に影響するものか、と書類がなだれるデスクを隠すあなた、気持ちはよくわかる。しかし、モノやデータ、あるべきものをなくした経験はないだろうか? モノを紛失して買い換えればお金がかかるし、テンションは下がる。何より、探す時間が奪われる。

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 本書によると従業員一人当たりで年間約1週間もモノ探しに費やしているらしい。4年間のうち1ヶ月は探し続けていると考えると、気絶しそうになる。それによる生産性の低下はアメリカだけで約890億ドル(約9兆8000億円)。日本人の年金問題もある程度解決してしまいそうな金額である。

 一方データやメールは失くしても、新たに用意すれば良い。しかし同時に、同僚や取引先からの信頼は失われてしまうのである。

 モノやデータがさっと取り出せば、仕事がスムーズに進むし、その分ストレスも軽減できる。デスクがキレイな人は、間違いなく一目置かれるだろう。片づけるだけでこんなにメリットがあるのなら、いっそやってみようではないか。

仕事場やデジタルデータ……物理的な片づけと、「時間」や「人脈」の片づけの違い

 仕事において片づける場所と聞き、まず思い浮かぶのはデスク、ロッカーという「仕事場」。ベースは自宅と変わらず、全てを一旦出し、「ときめく」の基準で仕分けていく。ここで重要なのは3種類のときめきに分類することだ。

「まっすぐときめき」「機能的ときめき」「未来のときめき」。この三つを、ワークスペースの片づけにおいて残すべきモノの基準として覚えておきましょう。

「まっすぐときめき」はそれ自体にときめきを感じるもの、「機能的ときめき」は役に立つもの、「未来のときめき」は、自分のときめく未来につながっているものだそうで、この3種類に仕分けていくのが大きなポイントだ。

 この本で面白いのは「時間」や「決断」、「人脈」なども片づけることである。SNSは我々の生活に染み込んでいる。ツイッターやフェイスブック、ビジネスならリンクトイン……。

自分の数字を同僚や友人の数字と比べて、つながりが多ければ多いほど重要人物なのだと、誤って思い込んでしまいます。

 という一文にドキッとした。せっかくならば、困難に直面したときお互い手を差し伸べあえるような、「ときめく人脈」を大切にしたいものである。

第1の質問:仕事のためにはどんなつながりを必要としているか?
第2の質問:目指すワークスタイルの実現を助けてくれるのは、どんなつながりだろう?
第3の質問:どんなつながりにときめきを感じるか?

 このように自分自身を見つめ直し質問することで、人脈をもすっきり片づけられるのだそうだ。詳しい方法はぜひ読んでもらいたい。

 大多数の大人は、人生の大部分を仕事と過ごす。持っている消しゴムの数を把握するところから、未読のメールを1通消すところからでもいい。片づけで、仕事をときめかせてみよう。

文=宇野なおみ