渡辺ペコ「流れる・もがく・諦める、諦観のK-POP 5選」/私たちのK-POP偏愛プレイリスト⑥

エンタメ

公開日:2020/12/25

 多くのアーティストが出演する授賞式や歌謡祭など、年末はK-POP界隈にとってイベントが目白押しのシーズン。次なる1曲と出会うべく、K-POPを愛してやまない著名人に「ごく私的なおすすめ5曲」を紹介してもらう連載「私たちのK-POP偏愛プレイリスト」、今回で6回目です。

vol.6 渡辺ペコ「流れる・もがく・諦める、諦観のK-POP5選」

渡辺ペコ

 今回のゲストは『1122』などで知られる漫画家・渡辺ペコさん。ご自身のTwitterにBTSがたびたび登場するなど、ARMYの間ではおなじみの存在です。2019年「韓国・フェミニズム・日本」をテーマにし話題となった『文藝』(河出書房新社)では、エッセイ『推しとフェミニズムと私』を寄稿。K-POPを鋭い視点と深い洞察で見つめる渡辺さんが選んだのは…?

「流れる・もがく・諦める、諦観のK-POP5選」Selected by 渡辺ペコ

「K-POPの代名詞でもあるようなカッコイイ、エネルギッシュ、可愛い、元気が出る、不断の努力、ファンへの愛情深さ、という魅力だけなら私はこんなにしつこくK-POPアイドルを追わなかっただろうと思う。華美な世界で活躍しながら現実には一人の人間である彼らにとってこそ切実であろう憂鬱、疲労、虚しさ、混乱、諦めを、ないものとせず真摯に作品にする『アイドル』に私はどうしようもなく惹かれてしまう。

 稀有な才能ととびきりの誠実さを併せ持った奇跡の存在SHINeeのジョンヒョンさん、彼のリアルな憂鬱を完璧にPOPに歌い上げた超絶可憐な怪物IUさん、そして我が推し、BTSとRMさんの曲をお勧めしました。

 『とても悲しいときに、とても暗い曲が救いになることってあるじゃないですか?』と語ってくれたRMさん。まさにこれらの曲の、その切実で静かな暗さと重さと諦観に、私はずっと救われています。推します。(尊&拝)」

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※BTS「바다(Sea)」はSpotifyでの取り扱いなし


 

BTS「바다(Sea)」

※編集部注 ミニアルバム『LOVE YOURSELF 承 ‘Her’』に収録された隠しトラックのため、音源なし

 

IU/우울시계(憂鬱時計)

※編集部注 IUのアルバム『Modern Times』収録曲。IUと同世代であるSHINeeジョンヒョンが作詞作曲フィーチャリングを担当。

 

SHINee「Evil」

※編集部注 SHINeeのアルバム『Chapter 2. Why So Serious?-The Misconceptions Of Me』に収録。ライブの定番ナンバー。

 

RM/everythingoes

※編集部注 RMのソロミックステープ『mono.』に収録された、韓国のバンドグループ・NELLとのコラボ曲。「soundcloud」は無料音源公開サイトで、BTSの未収録音源が多数公開されている。

 

RM/forever rain

※編集部注 『everythingoes』同様、RMのソロミックステープ『mono.』に収録。

 

文=五十嵐フィリョーズ

<第7回につづく>