自分にぴったりのマスクはこう選ぶ! いま一度覚えておきたいマスクの基礎知識
公開日:2020/12/29
新型コロナウイルス感染症の影響は、いつまで続くのか。誰もが気になっている話題だが、コロナ禍で私たちの生活があらゆる場面で様変わりしたのは、多くの人たちが感じとっているはずだ。
日常生活でマスクをつけるのも当たり前になったが、いま一度、その役割を考えさせてくれるのが『感染症時代のマスクの教科書 的確に選んで、正しく着ける』(飯田裕貴子、眞鍋葉子/小学館)だ。漫画家としても活躍するお笑い芸人のカラテカ・矢部太郎さんのイラストもあわせて楽しめる本書は、マスクにまつわる基礎知識や最新事情を学べる1冊。
大正時代の感染症対策でも「マスク」は必須
新しい生活様式が浸透するにつれて「ユニバーサルマスク」という言葉が使われるようになった。これは、特定の人だけではなく「症状がない人も含めて、社会のみんなが一斉にマスクをしよう」とする考えにもとづくもので、たがいに感染を防ぐために日頃から注意しようと働きかける言葉だ。
しかし、実は、これは何も今に始まったことではないそうだ。歴史を振り返ると大正時代にインフルエンザが流行した時代も、感染症についての基本的な対策は「手洗い、うがい、マスク着用」と大きなちがいはない。
不織布や布など製品によってそれぞれの素材は異なるが、マスクにはいくつかの役割がある。体に悪いものを吸い込まないようにするのはそのひとつで、製品により性能は異なるが、基本的には「フィルター性能(ホコリの捕集効率)が高い」と「マスクと顔のフィッティングが良い」という2点をバランスよく備えているものがふさわしい。
また、自分が持っているかもしれないウイルスなどを周囲に飛散させないのもマスクの役割で、他にも、感染症が蔓延している中では、マスクをつけると自分の顔を触る頻度を減らす役割も期待される。
覚えておきたい正しいマスクのつけ方
マスクにも上下や裏表がある。正しく着用すれば最も防御性能が引き出せる一方で、誤ってつけると「フィッティングが悪くなり、マスクと顔のすきまから空気を吸ってしまうことにもなりかねません」と注意を促す本書は、正しいマスクのつけ方を教えてくれる。
ここではポイントをかいつまんで紹介するが、まず、マスクの上部を鼻の付け根の位置に合わせて、表面の「プリーツ」をあごの奥まで下げて顔の半分をすっぽりとマスクで覆う。その後、左右両方の手のひらで顔をなぞり、側面にもすき間ができないように顔の形に合わせて微調整する。
こうしてひととおり整えたあとに強めに息を吸い込んで吐き出し、空気が漏れていないことが確認できればOKだ。
あなたのマスクのベストサイズは指で測れる!
洋服と同じように、マスクにも「S・M・L」などさまざまなサイズがある。ドラッグストアなどで置かれた商品をなんとなく手にしている人もいるかもしれないが、最後は実際試してみる必要があるものの、本書では自分に合うマスクのサイズの測り方も紹介されている。
自分にぴったりフィットするマスクが必要になるのは、顔との間にとにかくすきまを作らないためだ。ベストサイズを調べる方法は簡単で、まずは、いずれかの手の親指と人さし指を開いてL字形を作る。次に、耳の付け根のいちばん高いところに親指の先端を、鼻の付け根から1cmほど下のところに人さし指の先端を当ててみる。
そこで分かった親指と人さし指の長さを測ると、マスクのサイズを選ぶときの目安となる。なお、その間隔については「9~11cm」であれば子ども用、「10.5~12.5cm」であれば小さめのサイズ。そして、「12~14.5cm」であればふつうサイズで、「14cm以上」であれば大きめのサイズがふさわしいという。
現状においてコロナ禍がいつ終息するのかは、おそらく誰にも分からないはず。ウィズコロナやアフターコロナの世界を想像すると、マスクをつけたままの生活は今後も長く続きそうだが、本書をたよりに改めてその必要性をおさらいしてみては?
文=カネコシュウヘイ