「もう一人の自分を作って心を保っていた」杉ちゃんの“目指す理想の姿”/ 杉田陽平の妄想力が世界を変える⑧

文芸・カルチャー

公開日:2021/1/22

 TwitterやInstagramでもファンの方々に対して丁寧にお返事をしているのが印象的な杉田陽平さん。常に穏やかで物腰柔らかな人柄に惹かれる人も多いでしょう。そんな杉田さんですが、実はそういう自分になるために意識してきたのだとか。

 連載第8回は、杉田さんが目指す「理想の姿」についてです。

もう一人の自分を作って心を保っていた

 杉田さんは『バチェロレッテ・ジャパン』の放送中はもちろん、SNSでも気遣いの姿勢を欠かしません。その理由について、こう語ります。

「僕は、自分の中で『こんな人がいたらいいのになあ』って思っている人になりたかったんですよね。つまり、そういう人が周りにいなかった、ってことなんですけど。学生時代から大人になるまで、本当の自分の理解者って自分でしかなくて、なんだかいつも心細かったんです。

 僕が正しいと思ってやっていることも、それを理解してくれたり、導いてくれたりする存在がいなかった。でも、どう考えても僕はそれが正しいと思えるから、『なんでわかってもらえないんだろう』ってもどかしかったんですよね。自分が一生懸命やっても誰も見てくれないから、もう一人の自分を作ることで自分を保ってきたんです」

自分が「いたらいいなあ」と思う存在になりたかった

 そんなもう一人の自分は、杉田さんにとってまさに理想の人物でした。

「こんな人が世の中にいたらいいよな、みたいな人を想像していました。ライバルなんだけど親友でもあって、誰の悪口も言わなくて、ひとつのことにひたむきで、人の幸せを心から祝える。それでいて自分のことも頑張れて、勝負も出るときは出て、人の気持ちを想像できて。でも、媚びは売らずに自分の意見もある。それでいて繊細で、ひょうきんで、話しやすくて……みたいな。こんな人いたらいいけど、世の中だいたいどちらかに偏っている人ばかりなんですよね。

 それで、だったら自分がなればいいじゃんって。他人を変えることはできないけど、自分は変えられるフォーマットなんですよね。だから、僕は『僕が第三者だったらこういう人をそばに置いておきたいな』と思うような人になるために日々精進してきたんです。ただ、普段はどうしても仕事が第一になってしまっておろそかになることもあります。そういう中で、バチェロレッテの旅は恋愛を第一に考える期間だから、自分が今まで理想として考えてきたことが、果たしてひとつのビジョンとしていいものかどうか試す機会にもなったし、自分が変化するきっかけにもなったなって今振り返ると思いますね」

<第9回につづく>