女性が気になる男性の不潔ポイント「臭い」「毛の処理」。具体的な対策を伝授!/大人男子の「超」清潔感ハック④
公開日:2021/1/22
「年齢を理由にあきらめる」のはもう古い。今や男性でもスキンケアをして、肌の手入れをする時代。現役美容師であり、YouTubeチャンネル登録数10万人を超す宮永えいと氏が、アラサーから意識するべき「大人男子の身だしなみ」の新常識をご紹介!
女性の率直な意見に耳を傾けてみよう
身だしなみを整えていく際の最重要ポイントは「女性の意見」です。
美容師をしていると、女性と日常的に会話をします。1~2カ月に1度、一対一で2時間ほどお話しするので、「友達以上恋人未満」あるいは「親戚のお兄ちゃん」 くらいの立ち位置になってしまうのです。
ではどんな会話をしているかと言うと、彼や旦那様の話、ぶっちゃけ話や愚痴など、アシスタントも交えながら女子会と同じような空間が広がります。そこで頻発する話題が「男性の不快に感じるところ」で、僕も「反応に困っちゃうなあ……」と思うくらい痛快に喝を入れてくださいます。
さらに、僕のSNSで「不快に感じる男性の行動や見ため」のアンケートを取ったことがあります。日頃から溜めていた思いを吐き出すかのように、1日で数百件の回答がありました。回答を見ながら手が震えましたが、「女性はすごい」と感心しました。
見ために関して元祖プロフェッショナルは女性だと思うので、先輩の意見だと思って我々男性の参考にできたらと思います。
女性が気になる男性の不潔ポイント
男性の不潔で気になる点①「臭い」
身だしなみと言うと、どうしても見ために引っ張られがちですが、臭いはもっとも減点される要素です。「スメルハラスメント」という言葉が流行ったことがあったくらい、男女に関係なく不快に感じた経験がある人がほとんどではないでしょうか。
嗅覚と記憶の関連性は研究でも明らかになっています。嗅覚は過去に感じた心情や情景を蘇らせてくれますが、都合よく「エモい」ものだけではないんですよね。 初対面で「くさい」と思われたら、その記憶は簡単には拭えない可能性があるのです。
毎日その臭いと生活している自分自身では気づけないことが多いのです。大人男子に潜む「臭い」との付き合い方を上手にすれば、人生は変わるでしょう。
ここでは特に気になる「3つの臭い」について、その対策を紹介します。
1 汗・体臭
「運命の相手の体臭はいくら嗅いでいても大丈夫!」という人はいますが、通勤電車の同じ車両に運命の相手がいるとは限りません。よっぽど相性のよいごく少数以外、汗の臭いや体臭は不快感のもとです。
朝シャン、または汗拭きシートで
寝ているあいだにはコップ1杯分ほどの発汗をすると言われています。これは健康的な睡眠のために必要なものなので、防止することはできません。「起きた後にどうするか」で大きな差が生まれてきます。
時間に余裕があるなら「サッと3分朝シャン」はおすすめです。夜の入浴のようにしっかり洗うのではなく、手でサッと石鹼の泡を撫でる程度で、朝からよい気分に変わります。
とは言え、朝は時間がないものですよね。そんな方は「ボディ用汗拭きシート」をクローゼットに近い位置に常備しておき、パジャマから着替えるときにパンツ一丁の姿でサッと拭きます。これなら約10秒でできるので容易いものです。
勤務中も汗をかいたら放置しない
社会人1年めのとき、慣れない生活リズムとストレスに悩まされた時期がありました。そのとき、椅子に座って作業をしていると、猛烈な悪臭が立ち込め、集中力がなくなってしまったことがあります。
なんと、原因は「自分の足の臭い」だったのです……。
靴を貫通するほどの悪臭は、自律神経の乱れからくる精神的発汗によるものでした。温度変化や運動による汗より臭いが強いと言われており、ビジネスパーソンにはこれの対策も必要です。
精神的発汗は腋や手のひら、足の裏などで起こりやすいのですが、いずれも皮膚上の細菌が汗の成分や皮脂を分解して臭いを発します。そもそも汗自体に臭いはないのです。放置したり蒸れたりするのが好ましくないので、デオドラントシートや制汗剤などをかばんに常備するとよいでしょう。会社のロッカーやデスクにストックしておくのもおすすめです。
2 服の臭い
僕は一人暮らしをしていた頃、服の管理がとてもズボラでした。帰ってきたらポイッと脱ぎ捨て、朝起きたら、散らかった服の中からまともそうなものを選んでそれを着るだけ。たまに最安の洗剤を使って適当に洗濯し、何も考えず部屋干しです。
今考えると「ズボラ悪臭を放っていたのではないか」と心配になります。実家を出てから結婚するまでの一人暮らしの期間、慣れない服の管理はどうしてもズボラになってしまうケースが多いですよね。
「一人暮らし男子の部屋の臭い」は何となく皆さん想像がつくかと思いますが、服に染み付いている可能性があります。そして、数日着回したTシャツやワイシャツは汗を含んで、臭いの原因になります。しっかり見直していきましょう。
乾燥機付き洗濯機で手間がぐっと減る
時間がないビジネスパーソンにとって、服の管理に費やす時間は惜しいはずです。当時の僕も洗濯というひと言で表現される作業が、「洗う・干す(乾かす)・取り込む・畳む」という4工程を含んでいることに面倒くささを感じていました。「もっと簡単そうに聞こえるじゃないか!」と1人であてもなく怒っていました(笑)。
そんな僕を救ってくれたのはドラム式の洗濯機です。通常の洗濯機に比べて高価なことは間違いないのですが、悩んでいた時間を取り返したいくらいのマストバイアイテムです。
洗濯に含まれる4工程ですが、通常の洗濯機だと洗濯開始から最後に畳むまで、待ち時間(干している時間)も合わせると7時間程度かかります。洗った後はすぐ干さないとくさくなってしまうので、洗濯機のスイッチを入れてから1時間くらいは自宅拘束されてしまいます。どう考えても時間の無駄だと思いませんか?
ドラム式洗濯機を使えば「洗う・畳む」のたった2工程を行うだけで済み、待ち時間も拘束されません。スイッチを入れてどこかに出かけても、帰ってきたらフワフワに乾いた服が待っています。
これによって僕は洗濯に対する苦手意識がなくなり、常に清潔な服を着る習慣ができました。人は置かれている環境でパフォーマンスが変わりますが、「道具選び」ほど効果的なものはありません。
家電店で買えば分割払いが可能ですし、自由な時間が増えて清潔を保てる「毎月数千円のサブスクリプション(定額制)サービス」と考えれば安いものではないでしょうか。
スチームアイロンで簡単シワ伸ばし
女性から見て、不潔そうに感じる服のポイントに「シワ」があります。ちょっとした「ヨレ」でさえ女性にとってはマイナスポイントです。
Tシャツやズボン、ワイシャツがクタッとしていませんか? その服が新品のようにパリッとしていたら合格です。ワイシャツはクリーニングに出せば大丈夫ですが、そうでないなら日常的にアイロンをかけていないとパリッとさせるのは難しいはずです。
僕がシワを伸ばすことに目覚めたのは、古着屋の店員さんが業務用スチームアイロンをかける姿を見てからです。古着の白シャツは年数が経っていて、ただでさえヨレやすく、クタッとしがちです。けれど、スチームアイロンを当てると、あっという間にシャツが「生き返る」んです。その帰り、ドン・キホーテで2000円ほどのスチームアイロンを購入して、家にあるシャツをすべてアイロンがけしました。ハンガーにかけたまま、驚くほど簡単に完成します。
スチームアイロンを手にしてから、シワ伸ばしが楽しくてたまりません。やはりパフォーマンスを上げるためには「道具」がすべてです。
3 口臭
高校生の頃、学年のマドンナ(なんて言い方は古いですかね……)と話したときに口臭がキツかったことがありました。大変申し訳ないのですが、その日から会うたびにその記憶がフラッシュバックされ、僕の中で彼女は憧れの対象ではなくなってしまったのです。
「あ」の形で口を大きく開けて、喉あたりからモワッと温かい息を出して、瞬間的に鼻で嗅ぐとセルフチェックができます。……が、かなり高度なテクニックがいるので、根本から対策をしておくことをおすすめします。
歯間ブラシを使わないと歯垢は除去できない
第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局」によると、口臭の大きな原因には舌苔および歯周病があるそうです。
日本人の約8割が罹っている歯周病は、歯垢(プラーク)という細菌の集まりが繁殖することで起こるのです。正直なところ、歯垢が細菌だというのは初耳でした。プラークコントロールと言って、歯垢を確実に取り除く方法を習得するのが予防の最善策だそうです。
また、『日本歯科保存学雑誌』(2005年Vol.48,No.2)によると、歯と歯のあいだの歯垢は歯ブラシのみだと61%、歯ブラシとデンタルフロスで79%、歯ブラシと歯間ブラシで85%を除去できるそうです。歯ブラシで誰よりも丁寧に歯磨きをやっていた自信はあったのですが、いくら頑張っても歯ブラシだけでは届かない箇所があるということです。
それを知ってから、歯間ブラシを通すたびに臭いを嗅いでいますが、1日置くだけでも十分くさい(!)です。「これが全部で27個の隙間に潜んでいるのか……」と思うとなぜだか燃えてきて、きれいにすると爽快です。
歯ブラシだけで磨くのではなく、歯間ブラシやデンタルフロス、舌ブラシなども使いながら、口臭予防をしていきましょう。
男性の不潔で気になる点②「毛の処理」
髪の毛はあれほど毎日ケアされるのに、その他の毛と言ったら「ムダ毛」にされて煙たがられます。「ちょっぴりかわいそうだな……」と思ってしまいますが、そんな発想は女性にはこれっぽっちもありません。
男性のほうが濃い体毛ですが、今は処理するのが当たり前になってきていますね。男性用の脱毛サロンも流行っていますし、毛と向き合うことは身だしなみの1つです。
ボディトリマーでムダ毛の8割は解決
ムダ毛と言って、ほとんどの方が思い浮かべるのは「腕毛」「すね毛」だと思います。ここの処理に関して、皆さんツルツルにしがちです。それ、本当にツルツルでいいんですか? これは意見が分かれると思いますが、本当になくしたいなら脱毛サロンに行くべきです。けれど、「ツルツルには抵抗がある……」という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
僕は足や腕が細いのがコンプレックスで、毛をすべてなくしてしまうと弱々しい 印象になるので嫌です。でも放置していると汚らしいので、すべてボディトリマーを使って3~6㎜に揃えています。ムダ毛処理の選択肢に「程よく短くする」を入れておくとよいでしょう。髪の毛を切ったときのように切り揃えることで、「清潔感のあるムダ毛」に生まれ変わります。
ヒゲは生やしても生やさなくてもケアが大事
高度成長期直前の1953年の『読売新聞』に「朝の髭剃りはエチケット」と書かれています。サラリーマンはヒゲを剃るのが身だしなみという文化が、その頃に定着したようですね。
1973年に東京都が行った調査によると、男性の「ヒゲ率」は5%だそうです。かたやイギリスのマーケットリサーチ会社「YouGov」によれば、6人に1人がヒゲを生やし、「男らしくてカッコいい」という印象があるそうです。
国内外でさまざまな意見が飛び交うヒゲ問題ですが、前述のムダ毛処理と同じく「メンテナンスを行うこと」が共通して言える清潔感を保つコツでしょう。
ヒゲを生やさない人は、シェービングフォームを使って丁寧に剃り、その後の保湿はマストです。刃が当たった後は皮膚が乾燥し、その状態で紫外線を浴びると肌荒れやニキビの原因にもなるので、必ず行ってほしいところです。化粧水や乳液、またはアフターシェービングローションを塗って保護しましょう。
ヒゲを生やす人は、体と同様にボディトリマーなどで3~6㎜で整えるとよいでしょう。毛の成長速度は1本ごとに違います。放置しているとバラバラに生えてきて不潔感があるので、注意が必要です。
ちなみに僕は29歳のときに初めて、ヒゲを生やすことを決意しました。美容師という清潔感が求められる現場ですが、ユーチューブを見てもらいたい層を30代前後に設定していたので、童顔を解消するために生やしたのがキッカケです。
ヒゲを生やすことにより、 当然のことながら毎日のヒゲ剃りがなくなり、ヒゲ剃りによる肌ダメージを防げるわけですから、スキンケアにとっては効果的でした。整える際もヒゲ剃りではなくボディトリマーで調整するだけですので、肌荒れリスクはなくなります。
見ために関しては、実年齢プラス3歳ほど大人っぽくなり、生やしていないときは若く見られがちでしたが、ヒゲを生やしてからは実年齢より若く見られることは少なくなりました。
そして嬉しいことに、「色気が増した」と言っていただけるようになりました。ヒゲは男性にしかない要素の1つなので、より男らしさをアピールすることができるというのは納得がいきますよね。
さらに、小顔効果もあります。黒は全体を引き締める効果があるため、顎や頰骨に黒いヒゲがあるとキュッと小顔に見せてくれるのです。
ただ、もちろんよいことばかりではありません。固定概念でヒゲ=不潔と捉えられることもあるのが現状です。動作としては「ヒゲを触る癖」がつく可能性があります。「女性の気になる男性の不快な行動」のアンケート結果にも、「ヒゲを触るのが嫌だ」という意見が数票ありました。この癖は行動としてもNGであることに加え、手が汚いと不衛生なので注意が必要です。
案外みんなやっている「アンダーヘアの処理」
男子大学生のお客様の髪を切っていて、ひょんなことからアンダーヘアの話題になったことがあります。
お客様「そろそろ下の毛、全部いっちゃおうと思ってて。家だとどうも面倒で」
僕「え? 家だと面倒って、どういうこと……?」
お客様「脱毛サロンですよ! え、何もしてないんですか?」(苦笑)
どうやら、大学生である程度見ためを気にしている人は、当たり前にアンダーヘアを整えているようです。僕らアラサー世代ではあまり聞いたことはありませんが、 ここに関しても時代は変わってきているのです。
脱毛などを行う「ゴリラクリニック」の調査によると、20~40代の男性の3人に1人が何らかの形でアンダーヘアの処理をしているそうです。ジャンル分けをすると、完全にツルツル状態に脱毛する「ハイジ男子」、程よく長さや形を調整する「デザイン男子」、そして何も手を加えない「ボーボー男子」。
なんと20代では「ハイジ男子」が急上昇しているとのことですが、皆さんはいかがでしょう? 僕はアドバイスのもと、ボディトリマーで10㎜前後に長さを調整、さらに周りの無駄な部分を処理して形を整える方法を行っていますが、非常に快適です。床に落ちる無様なアンダーヘアも少なくなり、日中のムレ感や巻き込み事故などが減りました。
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