どちらも五・七・五の俳句と川柳、見分けるポイントは季語の有無以外にも3つある/毎日雑学

文芸・カルチャー

公開日:2021/2/4

どちらも五七五の俳句と川柳、見分けるポイントは季語の有無以外にも3つある/毎日雑学

 今回は「俳句と川柳の違いとは?」という雑学を紹介します。

 俳句と川柳の違いといえば「季語の有無」を思い浮かべると思います。

 しかし、実は他にも「切れ字」「文語体と口語体」「題材」と、異なるポイントがあるのです。

 また、俳句と川柳は元々は「俳諧連歌」から始まり、そこから独立して誕生したということは知っていましたか?

俳句と川柳は似ている?

 俳句と川柳は基本的に「五・七・五」となっていて、とてもよく似ています。

 この2つが似ているのは、どちらも「俳諧連歌」から独立したものだからです。

 現代の日本人にとって「俳諧連歌」はあまり馴染みのないものですが、昔は貴族から庶民までが楽しんでいました。

 これは前の人が詠んだ五・七・五の句に自分が考えた七・七を付け、次の人はさらに五・七・五を付ける、を繰り返す詩の遊びです。

 これが繰り返されて36句、または100句までで1つの作品となる、「詩のリレー」と考えればわかりやすいと思います。

 その中でも「俳句」は「俳諧連歌」の最初の句である「発句」が独立し、次に詠む人が詩を考えやすいように「季語」を付けていったのです。

 一方で「川柳」は、後ろに付け加えていった句が独立したもののため、俳句に比べてそこまでルールが明確化されていません。

 また、前の句がなくても充分に面白い、ということで、川柳が独立したという背景があります。

俳句と川柳の違いとは?

 続いて、俳句と川柳の違いについて解説していきます。

 俳句と川柳は「季語の有無」以外にも、「切れ字」「文語体と口語体」「題材」といった違いがあります。

 まずは「季語の有無」ですが、俳句には基本的に季語が必要ですが、川柳は必要ありません。

 これは、先ほど解説したように、俳句が連歌の最初の句である「発句」が独立したものであるため、次の人が句を考えやすいように必ず季語を使っていたことに由来しています。

 続いて「切れ字」についてですが、俳句は句の中で「けり」「かな」「や」などの切れ字を使用します。

 しかし、川柳は特に切れ字を使う必要がなく、俳句よりももっと自由に句を考えることができます。

 俳句は切れ字を用いることから、基本的に文語体で詠まれるのが一般的となっています。

 一方で川柳は口語体で詠まれるのが一般的であり、川柳の方が自由で親しみやすいのは、話し言葉で詠まれるからです。

 俳句と川柳では詠まれる題材も違います。

 俳句は季語を用いて自然や季節の移ろいなどを詠むことから、読み手に風情や情緒を感じさせる作品が多いことに対し、川柳は身近な人間模様や社会風刺を題材にし、ユーモアを感じさせる作品が多くなっています。

 毎年発表される「サラリーマン川柳」は、サラリーマン目線で仕事や家庭について詠まれているのでわかりやすいと思います。

実は違いは曖昧?

 俳句と川柳は形式的な違いや詠まれる内容の違いはありますが、実は明確に線引きされている訳ではありません。

 そのため、俳句と川柳の違いはけっこう曖昧なものとなっています。

 作者が川柳として作品を出したとしても、意図せず季語を用いてしまったり、切れ字を入れることによって俳句となる場合もあるのです。

 以上が「俳句と川柳の違いとは?」という雑学でした。

 

まとめ

 俳句も川柳も、元々は連歌の一部であり、連歌から独立して詠まれるようになったものである。

 俳句と川柳の違いは「季語の有無」のみと思われがちだが、他にもさまざまな違いがある。

 例えば、俳句には句を切るために必要な「や」「けり」「かな」といった切れ字が使用されるが、川柳で切れ字が使われることは少ない。

 また、俳句は文語体、川柳は口語体という違いと、題材は俳句は自然などの情景を詠むが、川柳は人間模様や社会風刺を題材にすることが多い。

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