「SPIが時間内に解き終わらない」と悩むなら… 最速でSPIを攻略する方法
公開日:2021/1/30
就職試験で多くの企業が課すSPI。言語・非言語などの能力についてと、受験者の性格についての2領域を検査する。とくに就活生を悩ませるのは、能力検査だろう。企業への思い入れが強いほど緊張してしまい、時間内に解ききれない。また、数学に触れる機会が減って、久しぶりの計算問題に戸惑ってしまう人もいるのではないだろうか。
SPIをきっちり対策しよう、そう思い立ったら読んでほしいのが本書『2022年度版 SPI3の教科書 これさえあれば。』(就活塾ホワイトアカデミー 採用テスト対策室/TAC出版)だ。SPIが思うようにいかない主な原因を「時間内に解ききれない」「問題の解き方自体がわからない」の2つとし、それぞれの対策を教えてくれる。本稿では、本書で語られる非言語分野の基本方針や、具体的な解法を紹介する。
非言語分野のコツは、わからない問題を飛ばすこと
SPIでありがちな失敗は、ひとつのむずかしい問題に時間をかけすぎてしまうことだ。残り時間が足りなくなり、その後にくる「落ち着いて解けば正解できたはずの問題」を取りこぼしてしまう。これがいちばんもったいない。本書では、以下の基本方針を勧めている。
わかる問題 ミスなく速く解く
わかりそうな問題 速く解く
わからない問題 マークだけ(飛ばす)
わからない問題は、とりあえずマークだけしておく。これを大原則にしながら、本書で個別の問題の解き方を確認していけば、確実に得点できる範囲が広がるはずだ。
「塩てんとう」などの独自の解法も!
本書独自の解法も見ていこう。非言語分野は、問題自体はむずかしくないが、解法を知ることで早く正確に解くことができる。たとえば、「塩てんとう」は、頻出の食塩水の問題で役に立つ考え方だ。
入門問題
6%の食塩水200gと11%の食塩水300gを混ぜたとき、何%の食塩水ができるか。
食塩水の問題は、食塩の重さや全体の重さなど重さの部分は足し算をしてもよいが、%を直接足してはいけない。落ち着いてやれば簡単だが、「塩てんとう」を使うとわかりやすい。分数のような形で、分母に全体の重さと濃さ、分子に溶けているものの重さを書いてみよう。そうすれば、どの数字同士を足せば答えが出るのかよくわかる。
その他にも「仕事算」「速さ」などの頻出項目ごとに問題と解き方が解説されている。たとえば、「速さ」の項目であれば、「速さ×時間=距離(はじきの式)」など公式から丁寧に解説。数学から遠ざかっていた人も、安心して基礎から確認できる。
言語分野は、知らない言葉を恐れずに取り組む
言語分野のむずかしさは、知らない言葉やややこしい長文で、意味が読み取れずに混乱してしまうこと。本書によれば、まず心構えとして「知らない言葉を恐れない」ことが大事だという。一見戸惑うむずかしい熟語や慣用句が登場するが、焦る必要はないという。なぜなら、漢字や前後の文脈から推測できるからだ。知らない言葉が出てきても、落ち着いて読み進めてほしい。対策としては、SPIの対策本を解きながら、語彙力を鍛えていくことも大切だという。また、「性格検査」についても解説されているので、こちらもあわせてチェックしてほしい。
SPIは、憧れの企業に入るための第一関門だ。これだけで内定がもらえるわけではないが、解き方やセオリーを知らないと損をしてしまうことがある。本書で効率よく対策し、面接の準備に時間を割けるようにしよう。
文=中川凌
(@ryo_nakagawa_7)