「今年こそやせよう」と（心の中で）ダイエット宣言をするのがお正月あけの恒例行事。雑誌やテレビ、はたまたSNSで流れてきたダイエット情報を試してみては、1kgも動かない体重計を眺めては断念の繰り返し。振り返れば、テレワーク中におやつを食べる習慣がやめられなくなっている……。「なんでやせないんだろう？」とつぶやくと、聞いてもいないのに旦那から「間食止めればやせると思うけど…（小声）」と言われる始末。イラ！ こっちは、間食を工夫して、話題のプロテインチョコだって食べてるんだよ！

　そんな中、ある本の“間食をしながら-8kg”というキャッチコピーが目に止まり、稲妻が走った。タイトルは、『えぇっ！ これで糖質&脂質オフ!? ヤセる欲望系おやつ』（石原彩乃/主婦の友社）。著者はInstagramでこのレシピを発信し続け、約1年半でフォロワー10万人を達成したという現役看護師で2児の母でもある石原彩乃さん。おやつを変えたことで、2カ月で下の写真のようにぽちゃっと締まりのないお腹が、腹筋の縦線がくっきり＆キュッとくびれたお腹に大変身したんだそう。

　でも食いしん坊で万年ダイエッターの筆者は、糖質オフおやつがいかに物足りないものであるか知っている。疑ってかかっていたけれど……、この本の表紙を2度見。こんなハイカロリーそうなものを食べてヤセるって嘘か誠か！ 夢か幻か！

見た目はハイカロリー風でも、ヤセる理由は、糖質＆脂質オフ！ さらに驚くべきはたんぱく質が豊富だってこと

　本書の最初に、なぜヤセられるのか、その詳しい説明がある。材料を一般的なおやつと変えることによって、糖質オフだけでなく脂質もオフすることができるらしい。通常おやつに使う、小麦粉・バターは使わず、オートミールやおからパウダー、お豆腐などを使っているから。なるほど、糖質オフおやつの商品やレシピは世にたくさん出ているけれど、実際脂質は高いというカラクリがあるものが多い。脂質のカロリーは1g＝9kcal（ちなみにたんぱく質と糖質は1g=4kcalなので2倍以上ある）。糖質オフなら血糖値こそ上がりにくいけれど、脂質が高ければカロリーは当然高くなる。ダイエットの基本は、「摂取カロリー＜消費カロリー」なので、カロリーオフももちろん大事なポイント。

　さらにこの本で紹介されているレシピの驚くべきポイントは、たんぱく質や食物繊維が豊富だってこと。確かに材料を見ればわかる通り、高たんぱくのものがたくさん使用されている。おやつ＝（栄養のない）エンプティカロリーという常識を覆すレシピになっている。

でもオートミールやおからパウダーってまずいんじゃない？ 実際の味は!?

　ヘルシーな材料のおやつってまずいイメージありませんか？ 料理はたいして腕のない筆者だが、以下のレシピを再現してみた。まずどれも簡単であることに驚く。著者である石原さんが忙しい育児の合間に作っていたから、難しいレシピは一切ないんだとか。基本的にスケールにボウルを乗せて、どんどん測りながら混ぜていくだけ。レンジのみでできるレシピもあるから嬉しい。実際、コロナ禍でお菓子作りにチャレンジしようとしたとき、「フィナンシェ型（貝殻みたいな形のやつ）を用意してください」という一文を見て、そっと本を閉じたことがあったが、そんなものも不要らしい。気になる味は……

　気になる味は、どれも本当に美味しい！ 混ぜて焼くだけで簡単すぎるブラウニーはおからの味も豆腐の味も全然しないし、パンケーキは通常のものよりひっくり返すのが難しく、見た目はやや残念な出来だったが、味は香ばしさがアップし濃厚な感じがして本当に美味しい。おはぎは、餅米の代わりに使うオートミールが水分を含みややトロッとした食感になり、それが餅米と似ていて、普通のおはぎと変わらないような味わい。肉まんは、その簡単さに驚く。あんを混ぜて、皮となる生地はレンチンだけででき、餡をのせて包んで、またレンチンするだけという手軽さ！ あぁ、今まで市販品から摂取していたカロリーがもったいない！

試して３日！ 朝ごはんや間食を変えて、すぐに便通が改善したことに驚いた

　まず、オートミールのおやつを朝ごはんや間食として食べ始めたら、明らかに便通がよくなった！ それはその日から効果を感じられたし、それに本当にオートミールって腹持ちがよくてお腹が空かない（低GIのため、血糖値の上昇が緩やかのため、空腹感を感じにくいんだとか）。まだ３日しか続けていないので、体重変化こそ見えないが、これは続けられそうな気がした。冷凍保存ができるメニューが多く、週末に作り置きができるところも継続できそうなポイントだ。全国の間食をやめられない諸君にぜひおすすめしたい！