「忙しい」もNG!? お葬式での言葉のマナーに困惑の声

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公開日:2021/2/5

「忙しい」もNG!? お葬式での言葉のマナーに困惑の声

「正しいマナーを知らずに恥をかいてしまった」という経験はないでしょうか。特に“冠婚葬祭”の場では、失礼のないように振る舞わなければ相手の気分を害してしまうことも少なくありません。そこで今回は、社会人なら知っておいた方が良い“お葬式”のマナーについて見ていきましょう。

冠婚葬祭の場に相応しくない“忌み言葉”とは?

 2019年9月18日放送の『あなたの日本語大丈夫? 笑われるニホン語』(テレビ東京系)にて、「知らないと笑われる!? お葬式での正しい言葉」と題した様々なマナーが紹介されました。しかし一般的にあまり知られていないマナーも多数登場し、ネット上で大きな議論を呼ぶことに。

 まず初めに紹介されたのは、香典袋を渡す時の正しい言葉。仏式のお葬式において香典袋を渡す時は、「ご霊前にお納め下さい」と声をかけるのが正解だそう。

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 香典の“香”という字は線香を指す言葉であり、死者は線香の“香り”を食べると言われています。香典は元来お米や野菜が一般的でしたが、それがお金に変わったのは明治以降。つまり香典は亡くなった人に食べ物を“お供えする”といった意味なので、「お納め下さい」「お供え下さい」などの言葉が適しています。

 また冠婚葬祭の場では、「不幸を連想させる“忌み言葉”を避けるべき」といったマナーも。

 喪主が参列者に挨拶をする際、「お忙しい中ありがとうございます」では“忙”の中に“亡”という文字が含まれるため、「ご多用の中ありがとうございます」と声をかけるのが正しいとのこと。

 ちなみに他にも「消える・落ちる・大変・とんでもない」といったものや、不幸が続くことを連想させる「再び・続いて・重ね重ね・繰り返し」などが忌み言葉とされています。

 番組を見た視聴者からは「今度からお葬式の時は言葉に気をつけないと……」「社会人として言葉遣いは特に注意したいところ。とても勉強になりました」といった声が上がる一方、「『お忙しい中ありがとうございます』と言って怒る人いるの?」「ホントこういう言葉遊びはいい加減にしてほしい」と異論を唱える人も少なくありませんでした。

“忌み言葉”の言い換えを覚えておこう!

 お葬式における“忌み言葉”。過剰に意識し過ぎる必要はないかもしれませんが、代替となる言葉をいくつか知っておくと役に立つはず。

 よく使われる言葉では、「死ぬ」という直接的な表現を避けて「ご逝去する」と言い換えるのが代表的ですよね。他にも「最後に」は「結びに」と言い換え、「別れる」は「新たな道を進む」などと表現すれば日本語としても美しいのではないでしょうか。

 また「帰る」を「帰省する」「中座する」と言い換えたり、「去年」を「昨年」と言い換えるのもスマートです。

 とはいえ、お葬式では故人を悼む気持ちが何よりも大事。最低限の礼節を持って失礼のないように心掛けることが、何よりも大切なことかもしれません。