仕事や恋愛で「潮時だね」という言葉を誤用すると大変なことに!?
公開日:2021/2/9
日本語には様々な熟語や慣用表現がありますが、全ての意味を正確に覚えるのは至難の業。今回の記事では“誤用”しがちな言葉を3つピックアップして紹介します。いざという時に恥をかかないように、正しい意味を確認していきましょう。
むしろ“誤用”すべき?「潮時」の使い方
「潮時」は本来「何かを始めたり終わらせたりするのにちょうどいい時期」を意味する言葉(広辞苑)ですが、世間では「引き際」というニュアンスで誤用されることが多いようす。
文化庁が実施した平成24年度「国語に関する世論調査」では、36.1%に及ぶ人が本来の意味ではない「ものごとの終わり」という選択肢を選んでいます。
潮時の誤用については以前、スポーツコメンテーターの為末大さんもTwitter上で持論を展開していました。
為末さんは“ちょうどいい時期”が正しい意味だと踏まえたうえで、会議で上司が「潮時ですね」と言った際には撤退を考えるものだと指摘。「そこでGOだと思って事業を進めれば、それはたぶん全体の意図とずれた行動になる」と語っていました。
実際にこの言葉の使い方に悩む人は多いようで、ネット上では「潮時と引き際の意味がごっちゃになりがち」「初めて潮時の正しい意味を知った時は衝撃を受けた」といった声がよく上がっています。
『サザエさん』でも話題になった「小春日和」の意味
「小春日和」という言葉について、その字面から「春頃のぽかぽかとした天気」を指すと勘違いしている人は多いはず。
ですが実際には11月から12月初め頃、本格的な冬が訪れる前に春のように暖かい天気の日がやってくることを表しています(三省堂国語辞書)。
以前放送された『サザエさん』でも小春日和の誤用が取り上げられていました。
ある日、花沢さんと交換日記をすることになったカツオは、日記帳に「きょうは小春日和だったね。明日も体育があるから晴れるといいね」と記します。しかしひょんなことから日記の内容を波平に見せると、「わしに見せたので、恥をかかずに済んだな」と指摘されることに。
波平はカツオに対して、「小春日和というのは秋の終わりの暖かい日のことを言うのであって、今頃は使わん言葉だ」と正しい使い方を伝授。視聴者からは「勉強になる回だったな……」「また1つ波平さんに役に立つことを教えてもらった」と反響が上がっていました。
ほとんどが誤用?「割愛」の正しい意味
「長くなってしまうので割愛する」といった文章に使用されることが多い、「割愛」という言葉。平成23年度の「国語に関する世論調査」を見てみると、実はこの言葉が高い割合で誤用されていることが分かります。
割愛は本来「惜しいと思うものを手放す」というのが正しい意味(広辞苑)。ですがアンケートによると正しい使い方を知っている人は17.6%にとどまり、過半数に及ぶ65.1%の人が誤った用法である「不必要なものを切り捨てる」を選んでいました。
言葉の使い方は時代と共に移り変わっていくもの。とはいえ誤解を招く確率を減らすためにも、色々な用法をチェックしておきたいものですね。