ポルトガル人はバカヤローを愛している? インドの映画作品で歌やダンスシーンが多い驚きの理由とは? 世界の衝撃的な常識
公開日:2021/2/7
映画館では原則、応援上映でもない限り、静かに鑑賞するのがマナーだ。どれだけ作品の素晴らしさに心動かされようとも、決して大きな声で感嘆してはいけない。ましてアクション映画で、悪役に大声でヤジを飛ばすのは言語道断。そんなやつは、映画館出禁だ! まあ…でも…インドだったらOKなんです。はい。
インドは映画産業が盛んで、1年間に制作される作品数は世界一。観客は声に出して主人公を応援したり、悪役にヤジを飛ばしたり、歌やダンスのシーンでは場面に合わせて歌ったり踊ったりする。
映画好きの中には「なんでインド映画はこんなに歌やダンスシーンが多いの?」という疑問を持っていた人がいるかもしれない。実はコレ、映画館でみんながハシャぐための大事なシーンなのだ。だからこれからはインド映画でダンスが始まったら、腰を上げてフリフリ踊るべきなのである。
我が家の常識が、世間では非常識という言葉もあるように、日本では常識であっても、海外へ行けば予想外の景色が広がっていることもある。
世界の文化を楽しく学ぼうという視点で、びっくりするような外国の常識を1冊にまとめたのが『おもしろ大発見! 世界スゴすぎ事典』(須藤健一:監修/池田書店)だ。本書よりもう少しだけ世界のびっくり事情をご紹介しよう。
600万円を貯めればリヒテンシュタインで…?
リヒテンシュタインという人口4万人の小さな国がある。なんとこの国では、600万円を用意すれば、国を丸1日貸切できる夢のようなサービスが存在するのだ。パレードで歓迎してもらったり、馬車で送り迎えしてもらったり、自分だけのお祭りを開催できたり、新しい通貨を発行できたり…。うーん、至れり尽くせり。承認欲求を満たしまくりである。金持ちで有名なあの人ならば、100日くらい連続で貸し切りそうだな…。
韓国人が好きな人に名字や先祖の出身地を聞く理由
2020年は韓国アーティストが大きな話題を呼んだ。そんな韓国では、好きな人に名字と出身地を聞く習慣がある。韓国の映画やドラマが好きな人は、ちょっと疑問に思っていたかもしれない。というのも韓国では、1999年まで名字と先祖の出身地が同じだと、どれだけ愛し合っていても結婚できなかった。これは儒教の教えであり、法律で定められていたのだ。現在この法律は撤廃されたが、その名残で今も、好きな人に名字と先祖の出身地を聞く習慣がある。ふーむ、日本でも「男は仕事、女は結婚して家事」という考え方が一般的ではなくなったように、外国でもさまざまな文化や決まりが徐々に見直されつつあるらしい。
イギリス人は幽霊や怖い話が好きすぎて…?
イギリス人は幽霊や怖い話が大好きだ。歴史あるホテルやレストランには必ず幽霊の逸話があり、幽霊に会うためのバスツアーも存在する。そればかりか、イギリスでは幽霊が出るとウワサされる部屋に住みたい人が多く、相場の家賃より高くなることもあるという! ホラー系が苦手な人は、コロナ禍が終息しても、イギリス旅行は控えたほうがいいかも…?
ポルトガルはバカヤローが大好き?
ポルトガルは漁業が盛んな国だ。そのため水産物を使った料理がよく食べられる。なかでも国民食として愛されているのが「バカリャウ」だ。日本人が初めて耳にすると「バカヤロー!」と聞こえて驚いてしまうが、バカリャウとは塩漬けにしたタラを干したもの。コロッケにしたり、グラタンにしたり、300種類ものレシピが存在する、ポルトガル国民バカウケの食べ物なのである。
このように本書を読んでいると、日本からちょっと飛び出すだけで、想像もしない文化が広がっていることに気づける。たとえばドイツスタイルで飲食店が豚肉料理を提供すれば逮捕者続出だろうし、ケニアスタイルで家を建築すれば翌朝から建設会社がワイドショーの新しいターゲットになること間違いなし、コンゴスタイルのプロレスはぜひバラエティ番組でお目にかかりたいところだ。
日本では非常識だけど、外国では当たり前の光景。思わず笑っちゃうけど、その国の人たちの大切な習慣だから、いざ目の前にしたら尊重しなくちゃいけない。
この本を読むと、知識が増えるだけじゃなくて、ちょっとだけ心も広くなる気がする。世界を知ることは、人として大事なことではないかと考えさせられる。
文=いのうえゆきひろ