DeNA社のCHO(最高健康責任者)が身体のコンディションを維持する大切さとそのテクニックを説く
公開日:2021/2/11
“自分の身体や体調がベストな状態ではないことを放置して仕事をしている人が、なんと多いことか”
そう聞いてドキッとする人も多いかもしれない。特にコロナ禍では、健康格差が広がることが懸念されている。
『仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること』(平井孝幸/東洋経済新報社)では、身体のコンディションを良い状態に保つためのテクニックが余すことなく紹介されている。著者の平井孝幸さんは、DeNA社でCHO(最高健康責任者)室を立ち上げ、社員の健康管理・体調管理に取り組んできた。根底にあったのは、“社員を健康にすることで、会社の生産性を上げられるのではないか”との思いだ。DeNAでは、プレゼンティズム(※)による損失が、なんと年間20億円以上と試算された(2015年当時)。
※プレゼンティズムとは、“社員が出社していても、何らかの不調のせいで頭や身体が思うように動かず、本来発揮されるべきパフォーマンスが低下している状態のこと”。
紹介されるテクニックは、私たち一人ひとりが今日から取り組めることばかりだ。
どれだけ忙しくてもご飯はデスクで絶対食べない
「デスクでご飯」を、平井さんは「最悪の選択」だという。なぜなら、脳がデスクを「仕事の場」として認識しているからだ。寝る場所であるベッドでスマホを触らないようにするのと同じように、食事はデスクから1メートルでもいいので離れることを推奨する。また、移動によって身体を動かせば、血流を停滞させずに済む。シリコンバレーでは、オフィスのランニングマシンに乗りながら会議をする会社さえあるそうだ。
寝る前に頭の中の不純物を片づける
睡眠の質や量はパフォーマンスを発揮するために重要である。しかし、特に「眠り方」は日々の暮らしではおざなりになってしまいがちだ。
“脳は急には止まれない。寝る前に減速してあげる習慣を身につけよう”と平井さんは言う。スマートフォンやパソコンのブルーライトを避け、音楽を聴くなどして脳をクールダウンさせることが大切だ。翌朝、気持ちよく起きることができれば、良いパフォーマンスを発揮できるだろう。
一部の例を挙げたが、本書では、「目覚め方」&「眠り方」、「食べ方」&「飲み方」、「姿勢」&「運動」、「リフレッシュ」&「マインドセット」、「口」と「目」のケアといったテーマのテクニックが網羅されている。平井さんがCHO室でさまざまな実践を経て集めてきた珠玉のコンディショニング術。自分に合う方法を取り入れ、よい仕事をしよう。
文=えんどーこーた