「基本のストレッチ」+「自分の腰痛に合ったストレッチ」の組み合わせで効果アップ!/マンガでかんたん! 酒井式 腰痛解消ストレッチ⑫

マンガ

公開日:2021/3/11

100万人以上を施術してきた酒井慎太郎先生による、腰痛のセルフケア本。クリニックで使われているメソッドを、セルフケア術として改良した関節ストレッチを紹介します。まずは、どんな腰痛持ちさんにもおすすめのストレッチ!

マンガでかんたん! 酒井式 腰痛解消ストレッチ
『マンガでかんたん! 酒井式 腰痛解消ストレッチ』(酒井慎太郎:著、市川智茂:マンガ/学研プラス)

トラブル解消に導くストレッチはコツをおさえて効果アップ!

まずは基本のストレッチからスタート

 腰痛のタイプを大別すると、「前かがみになると痛むタイプ」(Aタイプ)と、「体を後ろに反らすと痛むタイプ」(Bタイプ)の2種類があります。

 それぞれのタイプの特徴・傾向は、マンガの中でご説明したとおりです。ただし、読者の皆さんの中で、「片方のタイプの項目だけが当てはまり、もう一方のタイプの項目はまったく当てはまらない」という人は、あまりいらっしゃらないと思います。

 両タイプに、当てはまる特徴・傾向が数個ずつあったはずです。

 それは、まったく不思議なことではありません。当院の無数の症例からも、現在の日本では「2つの腰痛のミックスタイプ」が主流になっているという状況があるからです。

 ですから現実的には、

●「Aの要素が強いタイプ」
●「Bの要素が強いタイプ」

のどちらかになると考えてください。

 実際にストレッチに取り組むうえでは、前回の記事で紹介しているストレッチ2種類からスタートしてみましょう。

 これらは、いわば基本となるストレッチです。

 すでに第1章で、腰痛を解消するための2大ポイントをお話ししましたね。改めて触れておくと、腰の“土台”である「仙腸関節」と、“大黒柱”である「腰椎」です。これらのポイントに適切なセルフケアを施し、正常な機能を回復させることは、痛むタイプを問わずに最も重要なことなのです。

 そして次に、「Aの要素が強いタイプ」「Bの要素が強いタイプ」というタイプ分けが大きな意味を持ってきます。

 どういうことかというと、「Aの要素が強いタイプ」の人は、基本のストレッチ2種類を行ったうえで、Aタイプにいっそう適したストレッチをプラスして実践するということ。

 一方、「Bの要素が強いタイプ」の人は、基本のストレッチ2種類を行ったうえで、Bタイプにいっそう適したストレッチをプラスして実践するということなのです。

 それぞれのタイプに特化したストレッチについては、以降の章で順にご紹介しますから、まずは基本のストレッチから始めていきましょう。

腰周りの構造を正常に引き戻す!

 仙腸関節は、正常に機能しているときでも、その動く範囲(正常可動域)はわずか数ミリといわれています。

 そのため、悪い姿勢などで余計な負荷が一定以上かかってしまうと、カギをロックしたかのように固まってしまいます。

 こうなると、腰椎はもちろん、腰周りの筋肉などの組織にも悪影響が及び、腰痛は悪化するいっぽうです。

 そこで、「腰のテニスボールストレッチ」を行って、固まっていた仙腸関節を緩ませ、可動域を広げ、スムーズに動かせるようにするわけです。

 また、「体ひねりストレッチ」を行うと、腰椎の「痛む側」の構造が全体的に広がり、これまで受けていた圧迫から解放されるようになります。

 さらに、このように体をひねると、腰椎の柔軟性を養うことになり、緊張・硬化していた腰〜お尻の筋肉をリフレッシュさせることができ、仙腸関節へも適度な刺激が届きます。

 ですから、きわめて有効なストレッチ2種類といえるのです。

 実際にストレッチをするときには、効果をしっかり得るためのコツがあります。おもなものを上の表でまとめていますから、参考になさってください。

 なお、これらのコツは、本書でご紹介しているストレッチのすべてに当てはまる内容ですから、あらかじめ念頭に置いておくといいでしょう。

酒井式 腰痛解消ストレッチ「実践のコツ」

①「すべての人におすすめ」のストレッチ2種類に、「自分の腰痛タイプ」に合ったストレッチをプラスして行う

②床で行うストレッチは、枕を使わず、たたみやフローリングなど、硬めで平らな場所で行う

③「イタ気持ちいい」と感じるくらいの加減で行うようにする

④入浴後・就寝前・起床時に行うと、さらに効果アップ

⑤できるだけ毎日実践し、効果が現れやすい3週間後まで続けてみる

<第13回に続く>