2021年「本屋大賞」受賞! 孤独な者同士の結びつきを描いた『52ヘルツのクジラたち』の魅力を【マンガ】で辿る
PR 更新日:2021/6/16
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児童虐待というテーマを正面から取り上げた小説『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ/中央公論新社)が、読書好きの間で大きな注目を集めている。「読書メーター オブ・ザ・イヤー2020」で1位を獲得するなど、話題の尽きない作品だが、一体どんな物語なのだろうか?
同作は2016年に「女による女のためのR-18文学賞」大賞を獲得した作家、町田そのこ氏による初めての長編小説。家族によって人生をスポイルされてしまった女性・貴瑚と、母から「ムシ」と呼ばれていた少年が繰り広げるストーリーだ。孤独に生きながらも愛情を求める2人が出会い、魂の物語が紡がれていく。
2020年4月の発売以来、口コミで絶賛の声が広がることに。ネット上では「人と人を結ぶのは血ではなく縁。何度も心が震え泣いた」「貴瑚と少年の深い心の傷を、自分の痛みのように感じられる文章だった」「読み終えた今、なんでかわからないけどただただ胸が苦しい。予想よりも遥かに、素敵な本だった」「物語に引き込まれて一気に最後まで読めた。途中ぼろぼろ泣いた。最後に残った希望があたたかい物語でとてもよかった」「たった260ページの中に人間の弱さと強さ、儚さとしたたかさ、苦しみと幸せがぎっしり詰まっている。起伏の激しい展開に心がざわざわしました」といった感想が飛び交っていた。
2月23日には、『着たい服がある』などで知られる漫画家・常喜寝太郎さん
(@netarouTsuneki)
がTwitter上にPRマンガを投稿。1人の女性と『52ヘルツのクジラたち』との出会いの物語が、4ページにわたって描かれている。
マンガの中でも触れられているが、小説のタイトルにもなっている「52ヘルツのクジラ」には特別な意味が込められている。このクジラは実在する個体であり、他のクジラには聞き取れない周波数で鳴くことで有名。そんな「世界でもっとも孤独なクジラ」のように、世界には誰にも届かない声を上げて生きる人々が数多く存在する…。
あえて一言で表現するなら、同作は孤独を抱えながら生きる人々のための物語と言える。誰もが直面したことのある痛みを描き出した文章は、多くの人から共感を集めているようだ。2021年の「本屋大賞」にもノミネートされており、読者からは「今年の本屋大賞の最有力候補だと思います」「久々に夢中になって読み終えた本。私的に今年の本屋大賞これだと思ってる」と受賞を期待する声が上がっている。
孤独をテーマとしながらも、作中で描かれているのは負の感情だけではない。ぜひ小説を手に取って、人と人の間を結ぶ“絆”の力を感じてみてほしい。