仕事が終わらないのは「思考グセ」のせい? 悪い習慣を捨てる方法
公開日:2021/3/2
余計なことばかり考えて動けなくなってしまうことがある。「失敗するのが怖い」「批判されると心が折れる」「自分に自信がもてない」…。そんなことばかり考えては、やるべきことをついつい先延ばしにして、自己嫌悪に。こんなネガティブ思考の自分を変える方法はないものなのか。
そんなよくない思考グセに悩まされている人は『理想の人生をつくる 習慣化大全』(古川武士/ディスカヴァー・トゥエンティワン)で、自分自身を見直してみてはいかがだろうか。余計なことを考えて動けなくなってしまうという人に多いのが0点か100点でしか評価できない極端な完璧主義。100点を目指そうとするから強烈なプレッシャーで動けなくなるし、少しうまくいかないだけで「もうダメだ」と諦めてしまう。
そんな思考グセを見直し、よい習慣を身につければ、生活は一変するはず。この本では、行動・思考・感情・環境の習慣化の65の方法を紹介。たくさんの方法の中から自分に効果的な方法を見つけ出して、すぐにでも実践してみよう。
たとえば、この本にはこんな方法が紹介されている。
先延ばしグセを捨てるために! タスクを分割してみよう
仕事をついつい先延ばししてしまう最大の理由は、目の前のやるべきことへのストレスが大きいため。「めんどくさい」「気が重い」「失敗が怖い」などの感情はタスク全体を見た時に感じるのであって、タスクを小さく分解していけば一つひとつは大したことではないことがよくある。
たとえば、「新プロジェクトの定例会議を初開催」するというタスクならば、会議前にやるのは「主要メンバーを選定」「会議日時の決定」「会議室の予約」「目的・趣旨・議題の設定」「リーダーとの内容の合意」などだろう。これを1つずつクリアしていけば、意外とスイスイやるべきことをこなせてしまうもの。タスクが大きいと感じる場合や、プロセスが不透明だったり複雑だったりする場合は、このように具体的にタスクを細かく書き出してみると良いだろう。
余計な考えは不要! 淡々とタスクをこなそう
辛いことに無駄に逆らうことはせず、受け入れて、やるべきことを淡々とやる。実はこれもストレスフリーの仕事術のひとつだ。「新規顧客開拓のためのテレアポ」「1ヵ月分の交通費の精算」「洗濯物をたたむ」「トラブル対応」…。仕事の中にはどうやったって好きになれないもの、モチベーションを上げられないものもある。その場合は抵抗せず、淡々とこなしてしまうことで無駄なエネルギーを使わないようにする。それを前進させるために時には必要なこともあるのだ。
イライラの原因は捨てる! 相手への期待値を見直そう
人間関係でついイライラしてしまうのは、「相手への期待」と「現実」との間にギャップがあるためだろう。そんな人は相手への期待値を見直すとだいぶ気持ちがラクになる。
夫婦関係の専門家・ジョン・ゴットマン博士の研究によれば、結婚生活の中で起こるいざこざのうち69%が「永続する問題」であるという。夫婦関係にとどまらず、それは人間関係にとっても同様だろう。人間である以上完璧な人はいない。問題がない状態があるべき姿なのではなく、永続する問題としてうまく付き合っていくしかないという見方をした方がいい。
「夫の片付けできない病は仕方ないかも。私は遅刻病だし」「上司のイライラグセはしかたがないものなのかも」。相手を変えようとするのではなく、自分の見方や期待値を変えると、ストレスが軽減できる。
受動的な言葉は思考停止の原因! やる気の湧く言葉を使おう
ネガティブ思考を直したいという人は、頭の中で反芻する言葉を主体的な言葉に置き換えるだけで、前向きな思考を身につけられるかもしれない。
たとえば、「やりたいことが見つからない・わからない」という人は少なくないが、「見つかる」「わかる」というのは「探す」「探究する」「学ぶ」「試す」という行動の結果だ。「やりたいことが見つからない」と思うと、思考停止してしまうが、「やりたいことを探していない」と言い換えれば、どうやって探そうかと動く余地が生まれてくるだろう。
「見つからない」「できない」「わからない」「難しい」という受動的な言葉を捨てて、「試す」「学ぶ」「探す」「探究する」「育てる」「成長していく」という主体的な言葉を使うようにすると、やるべきことがみえてくるのだ。
その他にもこの本には良い習慣を身につけるための方法がたくさん記載されている。その方法のうち、「特にこれは自分に効果がありそう」というものを実践してみることで、前向きな自分に近づくことができそうだ。悪い習慣を捨てて良い習慣を身につければ、人生は格段に豊かになる。自分を変えたいと思う人はこの本が強い味方になるに違いないだろう。
文=アサトーミナミ