問題をできるだけ細かく分割する!/すごいメンタル・ハック③
公開日:2021/3/4
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HACK 03 問題をできるだけ細かく分割する。
タリーズコーヒージャパンの創業者である松田公太さんは、自著『すべては一杯のコーヒーから』(新潮社)で、1号店を出店するときのエピソードについて語っている。
松田さんは、もともと三和銀行(現在の三菱UFJ銀行)の銀行員であったのだが、米国に行ったときに飲んだタリーズのおいしさに驚いて、起業を決意したのだ。
そのまま銀行員を続ければ、それなりに安定した人生を歩むこともできたであろう。しかし、松田さんはタリーズコーヒーを日本にも広めたいと決意した。けれども、1号店を銀座の一等地に出店するためには、7000万円もの借金をしなければならない。
7000万円である。当然、松田さんは迷った。
そこで松田さんは、7000万円を分割してみることにした。
時給850円のコンビニのバイトを1日15時間、週休1日でやれば、月収は33万から34万円。それに妻の収入を少し分けてもらえれば月に40万は返済できそうだ。
そう考えると、「なんだ、そんなもんか」と松田さんは安心して借金をすることができたのだという。
大きな問題にぶつかったときには、その問題をできるだけ小さく分解してみると、「なんだ、こんなもんか」という気持ちになることができる。
大きな問題は、頭の中で、できるだけ粉々に小さくすることがポイントだ。粉々にしてしまえば、最初は大きく見えた問題が、ひとつひとつは簡単にこなせる朝飯前の問題だと考えることができるだろう。
スタンフォード大学のアルバート・バンデューラは、7歳から10歳の子どもたちを集めて、半分の子どもには、「258ページの算数の問題集を全部終わらせてほしい」とお願いした。しかし、258ページもある問題集である。最後まで終わらせることができたのは、55%にすぎなかった。
バンデューラは、残りの半分の子どもには、問題を小さく分割して与えることにした。すなわち、「毎日6ページずつやってみよう」とお願いしたのである。毎日6ページずつこなしていけば、1カ月半で258ページの問題集もそっくり終わらせることができる。このようにお願いした子どもでは、74%の子どもが全部終わらせることができたとバンデューラは報告している。
大きな問題でも、小さく分割してしまえば、まったく恐れることはない。何しろ、目の前にあるのは、小さな問題にすぎないのだから。
小さな問題をひとつずつこなしていけば、最終的には大きな問題もこなせることになる。大きな問題を突きつけられると、たいていの人は「こんなの無理」とすぐに諦めモードになってしまうが、そんなときこそメンタル・ハックの出番である。頭の中で、小さく分けてしまえば、ちっとも大きな問題ではない、と思うことができるだろう。