やりたくないことほど習慣化する/すごいメンタル・ハック⑤
公開日:2021/3/6
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HACK 05 やりたくないことほど習慣化する。
どんなに大変なことでも、いったん習慣化してしまえば、へっちゃらになる。
たとえば、読者のみなさんは、「外に出て、30キロ走ってきてくれ」と言われたら、ものすごくいやな気持ちになるであろう。絶対にやりたくないと思うであろう。
ところが、シドニー・オリンピックの金メダリストの高橋尚子さんは、現役のときには毎日30キロ走っていた。高橋選手にとっては、30キロ走ることが習慣になっていたので、まったく苦にならなかった。
食事をしたら歯磨きをする習慣がある人にとっては、歯磨きをすることはまったく面倒くさいとは感じないはずだ。なにしろ、自分にとってはそれが当たり前になってしまっているからである。
毎日5時間勉強している人にとっては、5時間の勉強は、たいしたことではない。いったん習慣化してしまえば、大変そうに見えることでも、本人にとっては、たいしたことではなくなるのだ。
やりたくないことほど、できるだけ早く習慣化してしまうといい。
人づきあいが苦手という人は、とにかくだれに会っても自分から声をかけて挨拶することを習慣づけてしまうのだ。いったんそういう習慣ができあがれば、あとはもう自動的に、無自覚的に、声をかけられるようになる。
自分から挨拶することが習慣になってしまえば、人に会うたび、いちいち「挨拶したほうがいいのかな、挨拶しなくてもいいのかな」と考えずにすむ。たいして知らない人でも、「おはようございま~す」と挨拶できるようになる。相手から挨拶が返ってこないこともあるかもしれないが、それでもたいして気にならなくなる。
習慣化するときのコツは、とにかく最初の2週間から3週間は、絶対に休みなく、一貫してやり続けることだ。やったり、やらなかったり、ということでは習慣化できない。
英国ロンドン大学のフィリッパ・ラリーは、ランチのときに果物も一緒に食べるとか、朝起きたら1杯の水を飲む、といった新しい習慣を形成させる実験を行っているのだが、95%の確率でその行動ができるようになるまでには、18日から254日という幅があった。
早い人なら、2週間から3週間ほどで習慣が形成されるのだが、ラリーが調べたところ、そういう人は、新しい習慣が形成されるまでは、一貫して休みなくやっている人であった。
ジョギングをするとか、読書の習慣をつけるとか、なんでもいいのであるが、何かに取り組むときには、最初の2週間から3週間が勝負である。このときには、絶対に自分を甘やかしてはいけない。サボったりすると、なかなか習慣化できず、かえって面倒くさいことになってしまうからである。
いったん習慣化してしまえば、あとはもうこっちのものである。どんなに大変なことでも、ほとんど自動的にこなせるようになるので、こんなにありがたいことはない。