『はらぺこあおむし』のスクラッチアートなら子どもが途中で飽きずに完成! 集中力と独創性に驚いた【やってみた】
更新日:2021/3/5
最近話題のスクラッチアート。専用のシートとペンさえあれば気軽にアートを楽しめるので、おうち時間にぴったり。完成した絵は部屋に飾っても美しく、集中して取り組めるのでストレス解消にもなると大人気です。
『エリック・カールのはらぺこあおむしスクラッチアート』(KADOKAWA)は、あの絵本の定番『はらぺこあおむし』のスクラッチアートを体験できるセット。大人はもちろん、子どもと一緒に遊ぶのにぴったり。対象年齢4歳以上ということで、今回は4歳の息子と2回にわたって挑戦してみました!
セットの中身は、大きめのスクラッチシート6枚とポストカードサイズのシート2枚。ポストカードは封筒つきで贈り物にもできます。大きめスクラッチシートのうち3枚はホログラムということで期待が高まります! 竹製のスクラッチペンも付属しているので、いつでも始められますよ。
お絵かきは好きな息子ですが、スクラッチアートははじめて。シートを見せるとうれしそうに笑って、「あおむしが“むずっ”て小さくなってるコレがいい」とお気に入りの1枚を選びました。どこから削り始めるのか興味があったので、まず1回目は「ペンで削ると色が出てくるよ」とだけ伝えて試してみることに。
おおっと! いきなりあおむしの黒い部分に着手した息子。スクラッチアートといえば、線をなぞったあとに黒い部分を削り、2度楽しむのが定番ですが、子どもにとってはぬりえ感覚のようです。絵本で見たあおむしに似せようとしているのか、「僕が色をつけてあげるからねえ」と上機嫌。もちろん、絵本を読んだことがなくても楽しめますよ。
え? 何も絵がなかった場所におかしな物体が…。いきなりの大脱線。何なのか聞くと、「キラキラミンだよ」という謎回答です。原作者のエリック・カールさん、大切な絵に落書きをしてごめんなさい。しかし、線のないところに描いてみるのもスクラッチアートの楽しさであるはず。これはこれで興味深いです。
あおむしを削り終えたので、まわりの食べ物も削っていきます。「こんなに食べたらお腹いたくなっちゃうねえ。わはは!」とひとりで笑いながら削っている陽気な息子。そうそう、絵本の中であおむしは、たくさん食べすぎてお腹が痛くなるのです。スクラッチアートをする前後に絵本も読めば、『はらぺこあおむし』の世界を2倍楽しめそうですね。
このあたりで、「色がはみ出ないように線を先に削ってみたら?」と提案してみました。まだ鉛筆持ちも心もとない4歳ですし、線の通りになぞるのは大人でも難しいのですが、息子なりに頑張っていた様子。ええと、明らかに下絵とは違う線も描かれているようですが、個性として捉えていただけたら(笑)。
せっかくなので「これは何の食べ物だっけ?」という会話もしてみました。「これはチョコレートケーキで、こっちはチーズケーキ」と自分の好きなものを中心に教えてくれます。写真で指さしているケーキは何かわからなかったので、色を削ってみることに。丸い部分が赤だとわかった息子は、「チェリーかなあ。いちごだっけ」と考えを巡らせていました。何が出てくるのか当てっこしながら削るのも楽しいです。
「できた!」という元気な声とともに完成。この絵柄はホログラムシートだったので「キラキラだあ」と満足そう。作業時間は10分くらいでしょうか。最後まで持たないかもと思っていたので、途中であきらめることなく一気に削り終えて驚きました。集中しつつ、お喋りしながらの作業は楽しくてあっという間でした!
はっきりいうと、削り残しが多くて完成度が高いとはとてもいえません。でも個人的に思うのは、大人にはない自由な発想と想像力が子どもの描く絵のおもしろさ。スクラッチアートも同じではないでしょうか。今回は、キレイにはみ出さずに削るのではなく、どれだけはみ出るのかを会話したり笑ったりしながら楽しめたような気がします。
さて翌日、2枚目に挑戦してみました。今度は「線をなぞってから中を削ってみる?」と伝えると、「それいいね」とノリノリです。
最初に数字の線を削り、それから中を削っています。黒いところを削って数字の色が出てくると、「かわいい7が出てきたよ」「10はかっこいいね」と息子。数字のシートは“かず”の勉強にもなりますね! やっぱり線の通りになぞるのは難しそうですが、頑張っている様子が見られて親としては満足です。
驚いたのは、いつもはひとりにすると寂しがる息子が、この時はそんな様子も見せず黙々と集中していたこと。昨日より要領を得たようで、会話するというより集中して楽しんでいる感じ。自分でもそれに気づいたのか、「オレったらまだやってるんだよ〜」と笑っています(笑)。完成までは20分くらいで、昨日より集中している時間がのびました。大きくなってひとりで勉強する姿はこんな感じでしょうか。スクラッチアートで遊びながら勉強グセをつけるのも、アリかもしれませんね。
完成作はこちら! 「きれいに削れたね」と伝えると、「飾ってもいいよお」とドヤ顔です。できた時の笑顔が昨日よりさらに輝いている気がして、こちらもうれしくなりました。
自由に楽しんで子どもの独創性を楽しむのもよし、鉛筆持ちやお絵かきの練習をしてもよし。お絵かきに飽きてしまったお子さんにも良さそう。子どもの成長はすさまじいので、期間を置きながら1枚ずつ挑戦してお子さんの成長を残していくのもいいかもしれません。
息子がここまで集中できたのは、『はらぺこあおむし』のかわいい絵が親しみやすく、数字や食べ物などの絵柄がわかりやすかったからだと思います。線が細かすぎないところもおすすめ。また、色の魔術師とも言われるエリック・カールさんの絵は絶妙なグラデーションが美しく、息子もきれいな絵を自分で描いているような気分を体験できたのではないでしょうか。これを機にアートにも興味を持ってくれたらと思います。
今回は大きいほうのシートに挑戦しましたが、ポストカードはコロナ禍でなかなか会えないおじいちゃんおばあちゃんに贈るのもいいですね。
(こちらのポストカードは大人が削ったものですが、美しい色彩を削るたびに心が洗われるようでした)
大人だけでなく、子どもも夢中になれるスクラッチアート。わが子の独創性や意外な集中力を発見できたのも思わぬ収穫でした。おうち時間や自宅学習に1冊いかがでしょうか?
文=麻布たぬ
●エリック・カールのはらぺこあおむしスクラッチアート(KADOKAWA)
https://www.kadokawa.co.jp/product/321912000509/