もとは風呂に敷くものだった! フロシキが「風呂敷」と呼ばれるわけ/毎日雑学
公開日:2021/3/19
今回は、風呂に敷かないのに、なぜ風呂敷という名前なのかについて解説します。
雑学クイズ問題
風呂敷は昔、何という名前だった?
A. 布包
B. 風呂布
C. 平包
D. 布平
風呂敷の由来や語源を解説
今は風呂敷を使う場面は減りましたが、昔はなんでも包めて持ち運びが便利になり、使わない時は畳めてコンパクトになる便利グッズとして活躍していました。
現在では、外国人が日本文化の代表としてお土産として買っていくことが多いそうです。
風呂敷の定番のサイズは縦横が70cm程度で、市販の風呂敷の多くは化学繊維で作られたものとなっています。
品物を包むための風呂敷ですが、もともとは別の用途で使われていたことはご存じでしたか?
その名の通り、風呂場で使うものだった
風呂敷は「風呂」という言葉が使われているように、風呂場で使われてるものでした。
現在の風呂敷のルーツとなったものは、奈良時代に使われていた「平包」という布だと考えられています。
当時の人は自分の着物と他の人の着物を間違えないように、平包で着物を包んで自分の着物を区別していたのです。
実際に、平安時代の「扇面古写経(せんめんこしゃきょう)」という冊子には、平包で衣服を包んで、頭の上に乗せて運ぶ女性が描かれています。
室町時代になると、一度に大勢の人が入浴可能な大浴場が登場して平包の用途が変化しました。
入浴後は、衣服を包んでいた平包を解き、その上に腰を下ろして休憩し、火照った身体を休ませてから着物を着たそうです。
風呂の後に敷くから風呂敷
用途の変化と共に平包という名前が変化していきました。
江戸時代になってから、風呂のあとに敷く=風呂敷という名前に変わったとされています。
また、大浴場では男性は風呂用のふんどしをしめて、女性は風呂用の下着を着用して入浴するようになりました。
このことから、濡れたふんどしや下着を持って帰るために、風呂敷は無くてはならないアイテムとなっていったのです。
別の使い道には、蒸し風呂の床に敷いたり、湯上りの足ふきなどにも使っていたそうです。
その後、江戸時代中期になると、風呂用のふんどしなどの文化がなくなり、また、脱衣所にかごや棚が設置されるようになりました。
そのため、風呂敷は風呂で使われることがなくなり、単純に物を包んで持ち運ぶ布となったのでした。
雑学クイズ問題解答
雑学クイズ問題の答えは「C. 平包」でした。
まとめ
風呂敷は元々、平包という名前で衣類を包むのに使われていた。
室町時代には、湯上がりに平包の上に腰を下ろして体を休ませることにも使っていた。
江戸時代に風呂敷という名前になった。
江戸時代中期には、風呂用のふんどしなどがなくなり、脱衣かごや棚も登場したことで、風呂敷の役割が変わっていった。
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