インド人が食べないお肉は? イカやエビには注意? 恥をかかない「世界の常識」を学ぼう

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公開日:2021/3/11

どこへ行っても恥をかかない世界の「常識」図鑑
『どこへ行っても恥をかかない世界の「常識」図鑑』(御手洗昭治:編著、小笠原はるの:著/総合法令出版)

 現在、新型コロナウイルスが収まったら訪れたい国として、日本が上位にランクインしているそうだ。もともと清潔でサービスが行き届いていると評判は高かったが、衛生意識の高さも、世界中に知られることになった。

 今後、コロナが落ち着いて、気軽に観光できる世界が再び戻ってきた時に備えておきたい。そのために、役立つ知識を教えてくれるのが『どこへ行っても恥をかかない世界の「常識」図鑑』(御手洗昭治:編著、小笠原はるの:著/総合法令出版)。世界各国の「常識」をその名の通り図鑑として、わかりやすく教えてくれる。

ユダヤ教、ヒンドゥー教……宗教の違う人との食事には気を遣おう

 食文化には、その国の特徴がにじみ出る。また、信仰している宗教によっては、けして食べてはいけないものもある。場合によっては大変な無礼となることもあるので、気をつけたい。

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・ユダヤ教徒はタコやエビを食べられない
ユダヤ教には、「カシュルート」という飲食についての複雑な規律があります。海の生き物で食べていいのは、ひれとうろこを持つものだけで、タコ、イカ、エビなどはNGです。

 陸の生き物も細かく規律があり、豚や馬はNGなのだそうだ。

 そのほか、

・イスラム教徒は豚のイラストも嫌がる
・インドのマクドナルドはビーフを使わない

 などの違いやお酒のマナー、ラマダン(イスラム教の断食期間)などの注意事項など、日本ではなかなか知ることのない情報を知ることができる。

ところ変われば、ジェスチャーやマナーも変わる

 マナーやエチケットは、コミュニケーションを円滑にすすめる大切なもの。しかし、それも国によって違いが出る。例えば、日本人は名刺を大切に扱うが、アメリカ人にとっては「カード」に過ぎず、折り曲げたり、メモを書いたりということが普通に行われる。

 特に興味深かったのはコートに関する、ヨーロッパと日本の違いだ。

・ヨーロッパではコートを着たまま訪問する
ヨーロッパでは「相手から訪問の許可がないうちにコートを脱いでしまうのは図々しい」と考えられています。「どうぞ」とオフィス内に招かれてから脱ぐようにしましょう。

 言われてみれば確かに……とも思うが、実際の場面になったら、なかなか難しい。日本人の上司と一緒にいた場合、必ず脱ぐように言われるだろう。

 ジェスチャーも国によってかなり違うが、図解付きでわかりやすい。良いジェスチャーに気づけずお礼を言えないのはもったいないので、こちらも覚えておきたいところである。

コーヒーショップにご用心! 自分の知識をおさらいするのにもおすすめ

 一番びっくりしたのが、オランダにおける「コーヒーハウス」と「コーヒーショップ」の違いだ。「ショップ」のほうはなんと、大麻のお店! うっかり入らないよう、気をつけたい。

 オフィスや学校の机ひとつ取っても、アメリカと日本では違う。自分の常識は世界の常識ではない。お互いの文化を知り、尊重し合えば、眉をひそめないで済むし、良い関係を築きやすいだろう。すでに海外でビジネス経験がある方に、改めておさらいする本としてもおすすめだ。

文=宇野なおみ