豊臣秀吉の妻・ねね、細川忠興の妻・ガラシャは戦国をどう生き抜いた? ハーバード大学発の日本史講義「レディサムライ」とは

社会

公開日:2021/3/21

『日本史を動かした女性たち』(北川智子/ポプラ社)

 日本史の表舞台に登場するのは圧倒的に男性が多い。特に、武田信玄や織田信長、上杉謙信など、戦国の世で激しい戦を繰り広げた武将の名前は多くの人の知るところだろう。しかし、中にはその名を後世に残した女性も確かに存在する。そんな女性たちに注目した新感覚の日本史エッセイが『日本史を動かした女性たち』(北川智子/ポプラ社)だ。

 同書は、豊臣秀吉の正室・ねねや、細川忠興の妻であり、キリシタンとしての信仰を貫いた細川ガラシャたちの姿から歴史を捉えなおし、いかに理解するかを提案。武器を使わずに知略を用い、和を重んじた彼女たちがどう生き抜いたのかという疑問に答えてくれる一冊となっている。

 天下統一の陰に隠れた女性たちの強い信念が垣間見えるため、読者からは「私の知らない『ねね』の一面に触れることができました」との声が。秀吉とねねの寺として知られる「鷲峰山高台寺(京都府)」(@KodaijiFb)も同書に着目し、「武将好きな貴方もちょっと手に取って読みやすいサイズ。やる時はやる! 戦国時代の女性ってすごいね」というコメントをSNSにアップしている。

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 著者の北川智子は、米国プリンストン大学で博士号を取得後、ハーバード大学にて「Lady Samurai」の歴史クラスを教え、さらには欧米、中東、アフリカを含む世界各地で講演をする歴史学者。歴史の授業に映画作りや「タイムトラベル」といった斬新な手法を導入している。そして、学内の「ティーチング・アワード」を受賞し、「思い出に残る教授」に選出されるなど、日本史を大人気講座に変貌された経歴を持つ。

 また、2012年に発売された『ハーバード白熱日本史教室』(北川智子/新潮社)は、「完璧に僕の座右の書と言える一冊」「若い研究者の独創性と創造性に刺激を受けた」「北川さんの行動力、思考、とても勉強になりました」といった反響が上がるなど話題を呼んだ。

 新進気鋭の歴史学者が著した、世界がときめく「レディサムライ」の世界に触れてみたい人は、ぜひ同書をチェックしてみて欲しい。