5000を超えるオノマトペで韓国語がかわいすぎる！

「英語、フランス語、中国語。それぞれ語感の響きに抱く特有のイメージがあると思いますが、韓国語の場合、個人的には『かわいいなぁ』と感じます。例えば『お酒を飲めよ！』というフレーズは、韓国語で『マショラ！』。響きがかわいくて、つい一気飲みしそうです（笑）」

「韓国語の魅力は？」と尋ねると、「かわいいところ」と少し予想外な答えがYUKIKAWAさんから返ってくる。確かに韓国語には、「アニョ（いいえ）」「～シポヨ（～したい）」など、響きがかわいらしい言葉が多く見受けられる。

「韓国語をかわいいと感じる理由のひとつに、日本語にくらべて『パ』『ピ』『プ』などの半濁音が多いことが挙げられると思います。日本では、『あげぽよ』『彼ぴっぴ』などの言葉が突如ブームになることがありますよね。半濁音と、どことなくオノマトペのような響きを持つ韓国語特有の語感が、日本人の『かわいい』センサーに引っかかるのではないでしょうか」

　一説によると、先進国の中でもっともオノマトペが多い言語は韓国語だという。日本語のオノマトペも極めて多く、その数は2000語とも3000語ともいわれるが、韓国語はそれをはるかに凌ぐ5000語以上にものぼるのだそうだ。

「実は韓国語には、オノマトペで成立している言葉が数多くあるんです。例えば、日本語で『ぽかぽか』というオノマトペは、韓国語では『トゥックントゥックン』。『部屋が暑い』といった表現の際に使われますが、『トゥックントゥックン』というオノマトペをそのまま『暑い』という意味で使ったりするんです。さらにいうと、『（気候が）暑い』と『（食べ物が）熱い』では、使う言葉がまったく違います。そういう背景があるので、韓国語にはオノマトペが数多く存在するのだと思います」

「ぽよ」「ぴっぴ」「きゃりーぱみゅぱみゅ」……、そんな語感に魅力を感じる日本人の感性に、オノマトペが極めて多い韓国語がかわいい認定されるのも納得だ。ちなみに、「ふかふか」という日本語は、韓国語で「プクシンプクシン」というらしく、これまた愛らしい。

ポップな装丁で勉強も楽しんでもらいたい

　YUKIKAWAさんの著書『世界一わかりやすい韓国語の教科書』は、その装丁のかわいらしさにも注目したい。

「ほどよくポップで気分が上がり、それでいて大人が長く使えるような、かわいい装丁にしてもらいました。イラストレーター・コナガイ香さんによる、おしゃれなイラストがとても気に入っています！ それから、紙の色とフォントにもこだわりました。一説によると、ピンク色の紙に青字で書かれてある文字が、もっとも暗記に適しているのだとか。本書もそれにならい、フォントも目が疲れにくい教科書体にしてあります」

「語学を身につける」というハードルが高い試みにおいて、「かわいい」「楽しい」といった気持ちのモチベーションは大切なものだ。韓国語を「かわいい」と感じ、ついには読み書きをマスターするまでにいたったYUKIKAWAさんによる並々ならぬこだわりがつまった本書は、韓国語ビギナーに等身大で寄り添ってくれる一冊といえそうだ。