アウトドア、キャンプは日常でできる避難訓練! 新時代の防災術とは

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公開日:2021/3/11

キャンプ×防災のプロが教える 新時代の防災術-アウトドアのスキルと道具で家族と仲間を守る!
『キャンプ×防災のプロが教える 新時代の防災術-アウトドアのスキルと道具で家族と仲間を守る!』(寒川一:監修/学研プラス)

 東日本大震災から10年が経った。2021年にも震度6強の地震が東北地方を襲ったばかりだ。台風や水害も増えてきている。改めて防災用品を買いそろえたり、買い換えたりした人も多いのではないだろうか。

 防災用品とともに、一家に一冊備えておきたい本がある。それが『キャンプ×防災のプロが教える 新時代の防災術-アウトドアのスキルと道具で家族と仲間を守る!』(寒川一:監修/学研プラス)だ。

 書名にある通り、もしものときのためにアウトドアやキャンプのスキルを磨いておくことを本書は勧める。水の確保の仕方や火のおこし方、怪我の手当てなど、読めば読むほどアウトドアやキャンプが防災に役立つことを実感する。

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 さらに、時代はコロナ禍。もし大災害が起きても、感染予防のためには体育館などでの避難所で「密」になっていた過去とは異なり、新しい避難スタイルが求められるかもしれない。そこでもキャンプの知恵は活かせるだろう。自身が東日本大震災で避難した経験のあるアウトドアライフアドバイザーの寒川一さんが、実践的な防災術を伝える。

「サバイバルの3の法則」をご存じだろうか。アウトドアの世界でよく言われている法則で、「体温=3時間、水分=3日、食料=30日」を指す。つまり、人は適切な体温を維持できなければ3時間しか生きられず、水分がなければ3日間、食料は30日間、ということを意味する。このアウトドアの知見を頭に入れておけば、備えておきたい食料や飲料、火の元を把握することができる。

「防災キャンプ」を自宅でやってみることも、ひとつの知恵だ。テントの設営は、場数を重ねるほど上手くなる。停電や断水を想定して過ごしてみることができたら、いざというとき的確に行動できるだろう。防災キャンプをするタイミングで、食品や衛生品の入れ替えも行うのがおすすめだ。

「スタディトレッキング」というイベントでは、自然を楽しみながら、火をおこし、湧き水を浄水し、ランチを作る体験ができる。寒川さんは、鎌倉でスタディトレッキングを提供しているそう。子どもも大人も、実践を通して「新時代の防災術」を学ぶことができる。

「キャンプは日常でできる避難訓練」という。レジャーであるキャンプを普段から楽しんでいれば、緊急時でも衣食住を確保することに役立つだろう。本書には緊急時の持ち出し品リストや道具の使い方、救急救命の基礎知識などが掲載されており、まさしく必携の一冊だ。もしもの前に、ぜひ手に取ってみてほしい。

文=遠藤光太