IT化に欠かせないSEってどんな仕事? その実態と一緒に働く上でのコツを解説
公開日:2021/3/24
新型コロナウイルスの影響で、世界のIT化は何年も早まったと言われている。さまざまな会社が「DX(=デジタルトランスフォーメーション)」を目指し、自社のIT部門を強化している。それに伴い、IT人材の需要も増大。とくに、SE(システムエンジニア)と呼ばれる職が人気だ。自分がSEにならなくとも、一緒に仕事をする人は増えるだろう。しかし、SEの実態は、IT業界以外の人にはあまり知られていない。
本書『理解できればビジネスが10倍加速する! SEのトリセツ』(津田徹/ビジネス教育出版社)は、馴染みのない方にも「SEってこんな仕事なんだ!」と知れる本になっている。SEを目指そうとしている方や、社内のIT部門でSEと仕事をする方にはぜひ読んでほしい。SEには、普通の会社員とは違う文化や、考え方がある。まずはそれを知るところから始めよう。
これからどんどん足りなくなる! SEは売り手市場
まずは、これから仕事としてSEを考えている人に向け、どんな仕事なのかをお伝えしたい。SEはよく「プログラマー」と混同されるが、その役割は少し異なる。現代のSEは、プログラミングをするだけでなく、顧客と折衝してシステムの要件を定義し、複雑な要求を形にする仕事。単純なプログラムを動かしていたころとは違い、今のSEの仕事は多岐にわたる。
SEになるメリットは、いろいろある。本書によれば、AI社会がやってきても、SEの仕事は増えていくという。「AIが人間の仕事を奪う」と言うことも多いが、実際にAIを活用するにはSEの存在が欠かせない。また、働き方にも魅力がある。新しく確立された職業なので、昔の文化に縛られず合理的に働ける。また、自分でプロダクトを作れれば、それを元に起業することも夢ではない。
曖昧な表現は禁物! SEとの仕事の仕方
次は、SEと仕事をする人に向け、彼らの性格や特徴を説明したい。普通の会社員からすれば「なんで?」と思うような言動にも、きちんとSEなりの理由がある。それを知れば、SEと気持ちよく仕事ができるだろう。
SEの特徴は、とにかくロジカルに物事を考えることだという。筆者もよく一緒に働くが、仕事をお願いするときに「なぜこれが必要か?」とよく訊かれる。また、彼らは要件をプログラミングで実現していくから、曖昧な表現ではどう開発していいのか定まらない。なるべくロジカルで厳密な話し方を心がけよう。
また、SEと仕事をする上で知っておいてほしいのは、しばしば「イレギュラー」が発生することだ。開発プロジェクトは、往々にして計画通りにはいかない。試しに作ってみれば、「思ったより大変」ということがよくある。出来上がったかに見えたプロダクトも、必ずどこかにバグがある。そうした「イレギュラー」が発生したときには、焦らずに対応をしてほしい。
本書では他にも「SEはツンデレである」「SEはダラダラしながらきっちり期限を守る」といった気になるSEの生態や、「ITで起業したら最短で上場できる」といった夢の広がる話も載っている。SEという職に興味を持ったら、まずは本書でその実態を知ってほしい。
文=中川凌
(@ryo_nakagawa_7)