トイレットペーパーは無料で生理用品は自己負担?
公開日:2021/4/2
女性特有のからだの不調やトラブルで悩んでいませんか。「お医者さんに行くほどではない…」「デリケートなことなので人には聞きにくい…」そんな体の悩みを、All Aboutガイドであり、ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長の清水なほみ先生に聞きました。自分のからだと向き合い、健やかに過ごす手助けとなってくれることでしょう。
コロナの影響で経済的に困窮しているのは大人だけではなく、実は学生さんやフリーターなどの若い方にもしわ寄せが出ています。テレビやネットで「貧困のために月経用品が買えない」という現状があることが明らかになり、話題を呼んでいます。この報道を見て、区役所などで月経用品を無料配布する自治体や、トイレに設置されたボックスから無料で月経用品が受け取れるサービスを開発した会社もあるようです。
一方で、「携帯代は支払えるのに生理用品が買えないなんておかしい」といった、「それは困りごとではないだろう」という意見も出ているようです。当事者にならなければどのくらいの困窮度合いなのかは理解しにくいかもしれませんし、何にどのくらいのお金を使うかの優先順位は個々に異なります。特に、学生さんの場合、たとえ親が生活保護でお金を受け取っていてもそれが子どもまで行き渡らなかったり、中にはアルバイトで稼いだお金も親に搾取されてしまうといったケースもあるかもしれません。。学生が貧困になる原因は本人ではないのです。それを「自己責任」のひと言で片づけてしまうのは、あまりに思いやりがないと感じるのは私だけでしょうか?
月経用品の中にも、洗って使いまわせるタイプのものがあり、これらを使用すれば毎月使い捨てのナプキンを使うよりも費用が少なくて済みます。でも、これらの月経用品は1カ月分のナプキンの何倍もの価格なのです。たとえばですがピルが体に合うならば、ピルで月経をコントロールすれば、消費するナプキンの量は非常に少なくなりますし、連続服用すれば3~4カ月に1回しか必要なくなります。でも、ピル自体が月1000~2500円という価格ですから、月経用品が買えない人にとってはハードルが高くなってしまうでしょう。実は、女性の健康にかかわるあらゆるものが高額すぎるのです。婦人科で使う薬剤も、他に比べて薬価が高いものが多く、常々何とかならないものかと感じています。
たとえば、各自治体が中学進学時に、女性全員に洗って使えるタイプの月経用品を無料配布したり、学校や公共施設のトイレには月経用品を無料で使用できるように設置したりできないものなのでしょうか? トイレットペーパーは無料で設置してあり、何センチでも使い放題なのに、同じ衛生用品である月経用品だけ「自己負担」なのはなぜなのでしょう?
あるコメントで、「ナプキンってそんなに高いのですか? それほど高くないのであれば、月1回それが買えないほどの貧困ってよほどですよね?」という書き込みがありました。そう、「よほどの」貧困なのです。そして、そこに現金が支給されても、「親」が管理していると子どもには使えなかったりします。もし、国がサポートするなら、必ず「現物支給」にしてほしいと感じています。
あなたは、この困窮している方たちに対して、「自分は」何ができると思いますか?