まごころとの出会い/前島亜美の「まごころコトバ」①
更新日:2021/4/30
アイドル活動を経て、声優や舞台を中心に活躍中の前島亜美さん。常にまっすぐ生きる彼女が、何を思い、感じ、触れてきたのか。心にあるコトバを真心(まごころ)こめて紡ぎます。
初めまして。このたびダ・ヴィンチニュースさんで連載をさせていただくこととなりました、前島亜美です。“何かを書く”ということにずっと憧れを持っていました。いつの日か実現したい。そんなことをぼんやりと考えていたところ、こちらで連載が決定し、心から嬉しく思っています。
「前島亜美のまごころコトバ」
この連載では、私の心の中にある言葉たちを紡ぎたいという思いと、私の一番好きな漢字「真」を合わせ「真心(まごころ)」をタイトルに入れました。
12歳で飛び込んだ芸能界、これまで沢山の方と出会い感じてきたこと、お仕事をする中で生まれてきた思いや、日頃何気ない瞬間に感じたことなど、私視点で世界を切り取りながら言葉を大切に記していく場所にできたらと思います。前島亜美を知らない方にも、これまでや今の私を知っている方にも楽しんでもらえるような連載になっていったら嬉しいです。
先ずは初回ということで、簡単に自己紹介をさせていただこうかと思います。
と、書いたそばからですが、自分で自分を紹介するのってとても難しいですよね。私は、これまで生きてきた23年間“真面目だね”と言われることが多くありました。自分にとっては普通の姿勢や礼儀、選んでお話をする言葉、そういったものを褒めていただく機会が増えた時、私の中にある精神は全て「極真空手」で学んだのではないかとふと思いました。
特技である“極真空手”、そこで学んだまごころについて今回は書いていけたらと思います。
幼い頃は天真爛漫で、お人形遊びより戦隊ごっこが好きな勝ち気な少女でした。周りの子たちがピアノやバレエを習う中、「私は、強くなりたい」と思い小学校低学年の頃、家の近くにあった空手の道場に見学へ。初めて行く武道の道場は熱気があり、師範や大人の方は皆さん凛としていて、道着に身を包んだ同い年くらいの子供たちもとてもかっこよく見えて。道場に響く道着の擦れる音と、活気ある掛け声を聞いているたびに、心が熱くなっていきました。
当時の道場には女の子は少なかったため、少しの不安と緊張もありましたが、このワクワクをもっと知りたい、私もかっこよくなりたいと、勇気を出し入門することにしました。空手でまず習ったのは挨拶でした。「押忍」と、師範や先輩に挨拶をし、道場に挨拶をし、稽古が始まります。そういった丁寧な“礼儀”が私は大好きでした。
男の子に囲まれ稽古を重ね、“武道”というものを少しずつ学んでいくたび、どんどんと空手に熱中していきました。女の子だろうと関係なく本気で戦う毎日の稽古、強化合宿や数々の試合、痣だらけになっても、痛くても辛くても、空手をすること、戦うことがとにかく楽しかった。
努力をすれば勝ちという喜びがある、帯の色が変わっていく、身体を鍛えることで心がより鍛えられていく。大きな試合や昇級審査など、緊張と恐怖が交差する中で自分を律し、己の努力を信じること、果敢に挑戦し続けることを“面白い”と思ったんです。
心身を鍛え師範や先輩を敬う。そういった精神は、空手で全て学んだと思います。愛をもって指導してくださる師範が「がんばったな」と笑ってくれる笑顔が大好きでした。凛とした道場の中で、心地よいあたたかさに包まれていたと思います。
他者への敬意を持ち、謙虚に真摯に努力を重ねていくこと。そんな生き方の“まごころ”が私は好きです。
仕事が忙しくなるにつれ、なかなか稽古に参加できず一度は道場を辞めてしまったのですが、また必ず空手をしたいと、あの頃の感謝を師範にお伝えしたいと、強く思っています。極真空手に出会い、学生の頃いつも胸にあった“真”という言葉と、学んだまごころを大切に、これからも歳を重ねていきたいなと。
今回は自己紹介もかねて、私の精神のルーツである空手について書かせていただきました。そんな勝ち気な少女がどうして芸能活動を始めることとなったのかは、また次回。
最後まで読んでくださりありがとうございます。そして、これからよろしくお願いします。
まえしま・あみ
1997年11月22日生まれ、埼玉県出身。2010年にアイドルグループのメンバーとしてデビュー。2017年にグループを卒業し、舞台やバラエティ番組などで活躍。またアプリゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』(2017年)でメインキャストの声を演じ、以後声優としても活動中。東京と大阪で4月29日(木・祝)~5月5日(水・祝)に開催される朗読劇『私の頭の中の消しゴム12th Letter』へ出演が決まっている。
Twitter:@_maeshima_ami
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