猫のような生き方/巴奎依の社会不適号㉗

アニメ

公開日:2021/4/9

巴奎依
撮影=山口宏之

たとえば無駄になってしまった時間とか、無駄になってしまった努力とか。
結果「時間を無駄にしてしまった」と後悔するのが嫌すぎて、とてもせっかちな性格をしています。

すべて結果論でしかないので、悔やんでも仕方がないことだとは理解しているのですが…。

それゆえに、学生の頃にたまに耳にした、
「コンビニの前で駄弁る」みたいな経験をしたことがありません。

放課後に何をしていたか思い返しても、
教室に残っていることもなかったし、目的のない過ごし方をあまりしていなかったように思います。

本当は、それこそがいわゆる青春だったりするというのに。
せっかち過ぎて、もったいないことをしたなと、今になって思います。

だからか、一人で過ごす時間がとても好きなんです。

特にこれといった趣味もないし、行きたいところもないし、食べたい物の欲もあまりないのですが、一人で過ごす時間はとても有意義な気がするんです。

一人でいれば他責にしてしまうこともないし、冷めてしまうこともないから、私にとってのリスク回避なんだと思います。

よく、「お一人様でどこまで出来る?」なんて質問がありますが、私は何でも出来ちゃうタイプです。

そして一人で過ごす時間に関しては例外で、目的もなくただぼーっと流れていく時間を過ごせるんです。

一人の時に限り「ぼーっとすること」が有意義になる。

一人で何もしないをすることが、すごく好きなんですよね。
ただ音楽を聴いて、コーヒーを飲んで、たまにスマホを眺めて、外出するのに飽きたら家に帰って。

自分のためだけに時間を使っているこの時間が私はすごく大切で、何かと最優先にしてしまっている気がします。
私が普通に社会人をしていたら、ただのサボりになってしまうんですけどね。

だから実は24時間のうち半日くらいは、その時間になってしまっています。

私は犬か猫かでいうと猫が好きなのですが、
猫には私と同じような感覚があるように感じています。

そばに人がいるなら人と遊ぶけど、そろそろ自分の時間を過ごしたいからまたあとで。

そういう猫のような生き方が私はすごく好きで、一緒にいると落ち着くんです。
お互いの生き方に理解があるから、どちらかが傷つくこともない。

もちろん犬のような献身的な愛情表現もとても愛おしいです。
しいていうのなら犬の方が少し人間に近いような気がしていて、より我が子のような姿を見せてくれるように思っています。

犬を飼っていそうな人と猫を飼っていそうな人でイメージが分かれるのは、そういうところからきているのかなと思います。

猫のように器用に生きられたら、と思うのですが、そのためにはまず、時折見せてくれるあの愛嬌を学ばねばなりません。

ともえ・けい
2012年よりA応P(アニメ“勝手に”応援プロジェクト)のメンバーとして活動をスタート。2020年8月2日に、A応Pを卒業。現在、インターFMにて毎週土曜28:30〜「DJサブカルクソ女の音楽解体新書」にてDJ番組を担当、DJCD「A応P BEST DJCD PRODUCED by DJサブカルクソ女」をリリースするなど、「DJサブカルクソ女」としても活動中。社会不適合者(自称)。

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